雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)

☃後日照時間・12分
雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_22484445.jpg土曜日の夜から、「真冬並み」ではなく「平年並み」の寒さと雪が続いています。
先週、排雪までしてすっかりきれいになった川反も、今朝はもとの段々畑状態。
きっとまた、歩行者は足をとられ、ドライバーはロデオ大会になってしまうんでしょうね〜。でも、これが秋田の「平年並み」です。


昨日の日曜日、由利正宗の蔵を見学してきました。居酒屋・酒盃さんの主催で、酒盃さんのお客さんたちとご一緒させていただいたのです。
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比較的温暖な本荘市も雪が多く、国の有形文化財に登録された社屋は雪にすっぽりと覆われていました。その雪で周囲の近代的な環境が隠されてしまい、この社屋が建てられた明治後期にタイムスリップしたような‥‥看板の文字が右からだし、左のコンクリート電柱と赤白の道路標識がなかったら、ホント明治後期ですね。

雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_22495659.jpg蔵は、丁度蒸し米があがったところで、蔵人全員での蒸し米運びが始まっていました。
それにしても、蔵人の数が同規模の蔵と比べると、ずいぶん多いような‥‥杜氏の高橋さん以下12名。しかも、20歳代が3人もいて、平均年齢が何と36歳、若い!
あまり広くない釜場に、人がウヨウヨいる感じなのです。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_22503092.jpg今朝10時20分に蒸し上がる米は、この写真の通り。
3.を除けば、どれも結構な精白のお米です。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_2251286.jpgきっと、蒸しが上手くいったのでしょう。高橋さんがニコニコしながら、蒸し上がった45%精米の山田錦のひねり餅を味見させてくれました。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_22521412.jpgでも、蒸し米から上がる蒸気の加減で品温を感じ取ろうとして、放冷機の前に立った高橋さんの眼光は、鋭い。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_22525140.jpg蔵人の数が多い理由が分かります。
今日の10時20分に蒸し上がった米は、エアシューターを使わずに、一粒残らずこうして手で運びます。しかも、品温を下げないように、猛ダッシュ! 若くなけりゃ、人数もいなけりゃ、出来ませんね。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_22531919.jpg本日の蒸し米表にあった4.の45%山田錦は、初添え用の小さなタンクに運ばれました。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_2254211.jpgここは、仕込蔵。床がきれいですね〜。ピカピカに光ってますよ。
高橋杜氏さんの「三ナイ流」の酒造りですから、毎日の櫂入れ作業は一切ありません。
蔵人がここにあがって来るのは、留め仕込みの時と、後は、毎日の掃除のためだけとのこと。へ〜ぇ。


雪の茅舍・山廃純米 生酒(09-01-26 MON.)_c0084908_2254303.jpg仕込蔵で、「三ナイ流」の説明をする高橋さんの後ろにあるのは、櫂棒? ‥‥って聞いたら、「これくらい置いておかないと、酒蔵らしく見えないでしょ」だってぇ。ん〜〜む、この余裕‥‥さすが、高橋さん。


‥‥エ〜〜実は、昨日は運悪くというか間が悪いというか、蔵では搾りに掛けているお酒が一つもない日でした。ですから、蔵見学で最も楽しいはずの、あの槽から滴り落ちる搾りたてを利き酒することができなかったのです。

でも、高橋杜氏さんが、確信をもって挑戦している「三ナイ流」の実際を見せてもらったし、高橋さんの指揮のもと、たくさんの若い蔵人が忙しく立ち働いている様子も見せてもらいました。
最近は、あまり明るくない話題の多い秋田の酒造業界ですが、こんなに自信を持って自らの酒造りに邁進する杜氏さんがいて、酒造りという厳しい伝統産業に飛び込んできた若者たちがいる‥‥そういう人達に会えたことが、槽前酒が飲めなかったけど、ズーッとズーッとラッキーだった、そう思えた一日でした。

まぁ、運転手役もしていたので、当然ながら利き酒が出来るはずもありませんでした。もちろん、酒盃さんに戻って、お土産に蔵から頂戴した、美味しい搾りたてをたっぷりと利き酒をしたことはいうまでもありませんけどね‥‥利き酒しすぎて、ブログは今日になってしまいました、すみません。

ということで、そのお土産のお酒の中の一つ、『雪の茅舍・山廃純米 生酒』の利き酒報告です。
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由利正宗の「山廃酒」のことについては、このブログ蔵のHPを読んで下されば詳しくお分かりになれます。

これまで、由利正宗では、「山廃純米酒」の生酒は出していませんでした。すべて火入をして瓶囲いで貯蔵、出荷していました。ところが、かなりの量を仕込んでいたはずですが、19BYが昨年11月に品切れとなってしまったのです。
これほどお客様に愛飲されているお酒を、簡単に「品切れです」とはなかなかお伝えできずに苦慮していたところ、昨年末ギリギリになって、20BYの「山廃純米酒」が上槽され始め、その生酒を慎重に、慎重に利き酒をした結果、これなら生酒から飲んで戴いても何の問題もない。ということで、今年から発売に踏み切ったというわけです。

私たちも、ズーッと火入れで通してきた「山廃純米酒」の「生」、といわれても直ぐにはお客様にご紹介はできませんでした。昨年暮れに少しだけ入荷させてはいましたし、それに利き酒をしたら、「ん〜〜ん、旨いね〜」とは思ってはいたのですが‥‥

そして昨日、酒盃さんのたくさんのお客さんたちに飲んで戴いたら、「美味しいじゃないの〜。1.8入りで2,415円、安いじゃないの〜」というご意見ばかり。まぁ、訪ねたばかりの蔵のお酒は、それでなくても美味しいですけどね。

もちろん「三ナイ流」ですから、櫂は入れナイ、濾過をしナイ、出来た酒に水を加えナイ、無濾過生原酒の旨味たっぷりの純米酒。それでも、豊かで美味しい酸味と、低いアミノ酸で、雑味なく、妙に重くないスキッとした感じの生酒になっています。

火入れの「山廃純米酒」が本当に美味しくなるまでには、まだ少し熟成をさせなければなりません。それまで、この「生酒」で高橋流の山廃純米酒を楽しむことに致しましょう。
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<1月〜3月の行事予定> 
・ 2月01日() 定休日
・ 2月07日(土) 酣々塾・秋田市内の「酒蔵」散歩
・ 2月08日() 定休日・天の戸の蔵開放日
・ 2月15日() 秋田の日本酒を 地産地消で おいしくいただく会
・ 2月25日() 定休日
・ 3月19日(木) 県酒造組合主催・究極の日本酒を味わう会
                       (詳細は県酒造組合のホームページで)  
by nbhkkry20 | 2009-01-26 22:59 | 雪の茅舍
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