柿﨑秀衛さん、ありがとうございました(2013.01.17 THU.)

曇り ときどき 雪 (日照時間 12分
昨日、1月8日に亡くなられた、天の戸の柿﨑秀衛社長様のご葬儀に参列し、最後のお別れをしてまいりました。

柿﨑さんは、私より丁度一回り下の56歳。人生これからという若さで逝ってしまわれました。
ご家族や御蔵の方々の悲しみに及ぶはずもありませんが、一回りも年長の私よりも先に逝く、どうしようもない理不尽さが何とも切なくて、悲しい気持ちでいっぱいです。

その未だお若い柿﨑さんに、一回りも年長の私は、ずっとお世話になり通しでした。
何度となく造りの真っ最中に大挙して御蔵を訪ねたり、鑑評会の一般公開に同行させてもらったり・・・1994年、東京の醸造試験場で行われた滝野川最後の新酒鑑評会で4回目の金賞を受賞し、森谷杜氏さんらと一般公開に同行させて頂いた折り、銀座の煉瓦亭でメンチカツとトンカツでお祝をした時の柿﨑さんの嬉しそうな様子は今でもありありと思い浮かびます。
中でも強く想い出に残っているのは、昨年七回目を挙行した白沙村荘の「京都で秋田酒を楽しむ会」の第一回目、2005年10月の「京都で天の戸を飲み尽くす会」です。

その打合せに御蔵に伺ったのが7月初め、ちょうど浅舞公園で「あやめ祭り」の開催中でした。
お子様たち三姉妹の、確か二番目のお嬢さんがお茶席でお手伝いをするというので、奥様の理子さんやお姉ちゃんや妹さん、ご家族皆さんで公園におられ打合せもそこで行いました。

小さなお嬢さんが浴衣を着てお抹茶を運んだりする姿は微笑ましく、柿﨑さんも奥様もどんなに可愛く思われたか・・・この後、柿﨑さんはご家族の団欒も京都の会の打合せもそこそこに、山形へ出張。お忙しい中での久方ぶりの家庭サービスだったのかもしれません。

そして、この時は思いもしなかったことですが、その後、奥様の理子さんが突然の病に倒れられ、かなり心配される状態が続きました。そのため、打ち合わせは終わっていたものの、こちらから京都の会の話をすることなどなかなか出来ませんでした。
それでも、会が近づいてきて恐る恐るご様子をお聞きしたら、「お酒はもちろん出品しますし、私も杜氏も京都まで行きます」というご返事。驚くやら嬉しいやら、奥様もだいぶ良くなられたのだなぁと思って安堵したのでした。

秋田からは夜行寝台で京都へ向かい、朝早く着いた京都は冷たい秋の雨。その中を、東寺を拝観したり、京都の方の計らいで超有名な料理屋さんでお昼ご飯、会場の白沙村荘では茶室でお抹茶やお菓子を戴き、柿﨑さんも楽しんでおられるように見えました。

ところが、会が始まり御蔵からのご挨拶も終わり、さて宴はこれからという時でした。柿﨑さんが秋田にお帰りになるというのです。未だ入院されている理子さんが、明日の日曜日に一時帰宅されるとのことで、夜行寝台で朝迄に秋田に帰るというのです。

それでなくてもなかなか寝台車は眠れなくて辛いのに、秋田と京都を夜行寝台での日帰り旅行、大変だったはずです。それもこれも、何よりも理子さんをご心配されてのことだったと思いますが、そんな事を私たちにはおくびにも出さず、迷惑をかけるまい、心配をかけるまいというお気持ちがひしひしと伝わってきました。

果たして、私だったら? 夜行寝台どころか、端っから京都に行かなかったかもしれない。
それを思えば、柿﨑さんて何とも凄い人でした・・・今はただ、感謝の言葉しか浮かびません。本当に、本当にありがとうございました。
どうぞ、安らかにお眠り下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<2013年01月~2013年02月の予定>
・01月20日(定休日
・01月21日(月)臨時休業 致します
・01月27日(定休日

・02月03日(定休日
・02月09日(土)酒蔵研修のため 午後1時より臨時休業 致します
・02月10日()午前10時~午後6時 営業致します
・02月11日(建国記念日)午前10時~午後6時 営業致します
・02月17日(定休日
・02月24日(定休日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当ブログへのお問合せ等は・・・・
────────────
酒屋まるひこ
秋田市大町4-1-2
電話・018-862-4676  
────────────
へお願い申し上げます。
by nbhkkry20 | 2013-01-18 01:10 | 天の戸
<< 天の戸・特純 美稲 朝しぼり生... まんさくの花・純吟生「荒 中 ... >>