白瀑・純米吟醸 備前雄町 火入れ(08-06-04 WED.)

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 日照時間0分) 一日中ドヨンとした曇り空。気温が22度前後で、生暖か。下を向いて本を読んだり、パソコンに向かったりしていると、知らず知らずに瞼が垂れ下がって、そのままスーッと寝入ってしまいそうな一日でした。
 そのドヨンぶり、↑写真からでもお分かりですよね。何しろ、これでまだ3時頃。全体が、ドヨンとしてるでしょ。

 さて、昨日の約束通り、新しく入荷したお酒のご紹介。
 『白瀑・19BY 純米吟醸 備前雄町 瓶燗火入れ』です。
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 昨年、二年ぶりに備前雄町に取組み、爽やかな香味と抜群のキレで大好評だった『純米吟醸 備前雄町 瓶燗火入れ』。今年も昨年同様に、50%精米で総米800kgの小仕込みとし、秋田今野商店の6号酵母で醸し、もちろん木槽搾り、瓶燗火入れで瓶貯蔵という上槽後処理をしての出荷です。そして、日本酒度が+3.0、酸度も1.4、と酒歴数字も昨年とほゞ同じですが、ただ一つ、イヤ二つ、昨年と違うことがあります。

 その一つ、これまで何度も書きましたが、今年の造りには杜氏がいなかったということです。
 しかしながら、杜氏なしでも、今年の秋田の新酒の中で(誇張でもなんでもなく、真実)最もお客様からの「旨かった」という声が多かった『純米吟醸 山本』のようなお酒を醸しているのですから、白瀑の今年に限って言えば、杜氏の有無は関係なかったようです。生酒の6号酵母、7号酵母も尻上がりに評価が高まっているんですよ。

 そして二つ目、昨年の備前雄町の出荷は10月下旬。一方、今年はそれよりも5ヶ月も早い出荷だということです。
 この5ヶ月の熟成の少なさが、香味にどんな影響を与えているのか? 試してみるしかありません。ということで、早速、店先で利き酒です。

白瀑・純米吟醸 備前雄町 火入れ(08-06-04 WED.)_c0084908_21165979.jpg 香りは・・・もう少しあってもいいかなぁ。でも、身体にまとわりつくようなのもイヤだし。まぁ、ほどほどの処でいい案配です。
 口に含むと、ん〜〜〜爽やか。含み香が良いんですね、きっと。お酒に溶込んだ果物の香りのような含み香が、口中にジワジワと広がってゆきます。日本酒度が+3.0と昨年より甘口に振れているのに、喉に落とす寸前、ピリッと辛さを感じさせ、たぶん昨年より辛口です。
 そして喉に、心地よい甘味(=旨味)を適度に残しながら、スーッとキレて・・・もう一杯!


 ただ一つ、昨年と比べてではないけれど、どうしても「熟成不足」かな? と思えるような処があります。それは、雄町酒だけがもつ「野性味ある円やかさ」という特徴を考えれば、香味全体を包む「円やかさ」が未だ充分ではない。雄町米の本来もっている熟成力からすれば、もっと円やかになるんじゃないか、そう思える点です。

 ただ、それがこのお酒の全ての美味しさを否定するものではありません。出荷された後だって、開栓した後だって、日に日に熟成が進み、円やかに、円やかになってゆくはず。そして、その変化を楽しむのもお酒を楽しむことの大切な一つ・・・そんなふうに考えさせられる、未熟だけどキラリと光る魅力をもった今年の『白瀑・19BY 純米吟醸 備前雄町 瓶燗火入れ』です。
 
 秋田では数少ない備前雄町米を使った純米吟醸、是非、お試し下さるようお願い申しあげます。
・1.8入 3,400円  720入 1,700円 
by nbhkkry20 | 2008-06-04 21:41 | 白瀑
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