一酒一会:福乃友
2008-02-07T10:43:15+09:00
nbhkkry20
小さな酒屋の独り言
Excite Blog
新生? 福乃友(08-02-04 MON.)
http://hitosake.exblog.jp/8156632/
2008-02-04T22:45:00+09:00
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2008-02-04T22:45:19+09:00
nbhkkry20
福乃友
昼過ぎには帰ってきたので、昨日中にブログに書こうと思っていました。でも・・・極寒の蔵訪問は、心底疲れます。それに、休みで一日中暖房をしていなかった事務所はあまりに寒くてパソコンはあきらめ、一杯飲んだらバタンキュー。ということで、今日は昨日の話題ですがお許しを。
前日の予報通りに太平洋側は雪で、こちら側は晴れ。だけど、放射冷却のため寒いこと、寒いこと。朝の9時、神岡町は-7℃。空気が凍ったのかな? 太陽はうすぼんやり。向こうの山々には靄がかかり何とも幻想的。だけども、体がパキーンと凍りそうに寒い!
木々の枝も白く凍り、花が咲いたよう。
この極しい寒さの中、福乃友の酒造りは行われていました。
福乃友も、先月ご紹介した白瀑さんと同じように、今年から杜氏制を廃止しています。37年も福乃友一筋に酒造りをしてきた、まだまだ元気な60歳代前半という杜氏さんに止めてもらったのです。
そしてもう一つ、社長の一星邦彦さんが代表者を息子さんに譲り、「工場長」として酒造りの作業に本格的に励むことになったのです。
何故そんな? ってよく訊かれます。今の時代においそれとは見つからない熟練杜氏に去ってもらい、60歳過ぎた体で苦労の多い酒造りに一から取組もうと、決めたのは他ならぬ一星さんご自身。それには、止むに止まれぬ理由があってのことだったと思います。
そんな新しい「工場長」の働きっぷりが見たくて、蔵を訪ねたのです。
蔵では、手洗いしたばかりの亀の尾を、明朝の蒸しに備え一晩かけて水を切るため、ザルから小さな桶に移す作業の真っ最中。
ザルの目に一粒の米も残すまいと、一心不乱にササラでカリカリと掻き出しているのは、何と一星社長、イヤ、工場長ではありませんか(右側)。
蔵人キャップを冠り、この寒いのに相変わらずの薄着。ネクタイを締めていた社長業の時よりはかなりウエストが細い・・・ホントに酒造りをしてるんだ〜。
蔵を案内してくれたのは、前杜氏と入れ違いに入蔵したばかりの、若干33歳の古関弘さん。
工場長を補佐する・・・とんでもない。古関さんは、昨年まで富山の「三笑楽」で酒造りをしてきたのですが、千石を四人で造っていたという、全ての工程をこなしてきた「プロフェショナル」。今や、蔵中では最も酒造りに精通している、杜氏代わりともいえる古関さんなのです。
古関さんが蔵で最初にした仕事が、一ヶ月半を要した蔵の掃除というのですから、何だか頼もしいなぁ。
今季の仕込み本数は25本。その半分近くまで来ていました。古関「プロ」は、富山で7号酵母の仕込みに慣れていたというので、今年の福乃友は7号酵母が多用されそう。これは、面白い試み。しかも、写真の美山錦の純米、泡消し器がついていますから「泡あり酵母」です。どこの蔵でも泡なしが多くなってしまい、泡ありの良さは捨て難いと思っていたんですが、楽しみですねぇ。
10時の休憩時間。これまでは、蔵を訪ねるとかしこまったお座敷に通されたものでした。蔵人さんたちと一緒に休憩室で暖をとるなんて、ホントに暖かかった。
社長時代、「和醸良酒」を一番に心がけてきた一星社長、イヤ現工場長(左端)。でも、なかなか和醸とはならず、今度は自らが現場に立って、この若い蔵人たちと一緒に「和醸」をし、福乃友の新しい「良酒」を生み出そうとしている。その後ろ姿には後光がさして・・・私も、他人のことは言えないんですけどネ。
とはいえ、まだまだ造りは続きます。「おこらない」「おこらせない」は、しょちゅうドジを踏むらしい工場長が自らを戒める為に書いたのですが、赤で「おこられなように」と小さく書いたのは古関さん。工場長に一日でも早く仕事を覚えて欲しい、というプロフェショナルの親心なんでしょうね。若いのに、良く分かる人だなぁ。
ということですが、今季の福乃友の新酒では、皆さんにご紹介するようなお酒はまだ出荷されておりません。今日洗米をしていた「亀の尾」、秋田ではもはや幻の米になろうとしている「改良新交」、キヨニシキの「冬樹」など、これからです。
入荷次第、順次ご紹介してゆきますので、新鮮な力を得た、新生「福乃友」にご期待下さるようお願い申し上げます。
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