飲み切り・その1(春霞・朝乃舞・天の戸)

 あっという間に、9月も最終週となってしまいました。月初めの三連休から2週間もブログをさぼったために、その間の写真の整理や報告に戸惑ってしまい、なかなかアップツウデイトなブログにならずご免なさい。そこで、なんとか今日のことは今日にするように、さっさと過去は片付けますのでもう少しの我慢をお願い致します。

 「飲み切り」は、一般的にお酒を口に含み、香味を確かめた後に吐き出します。でも、吐き出すとはいえアルコール分が舌や口中の粘膜から体の中に染み込まないわけはありません。そうなることを承知で、飲み切りのために車で回るなんて絶対にしてはならないことです。しかし、飲み切りの開催場所の酒蔵はあっちこっち、電車やバスではとても回りきれるものではありません。さて、どうしよう? ん〜〜〜、悩んだ末に今年の飲み切りはこうゆうことにしました。
 蔵に行ったら、先ずは用意された利き酒リストをぐっとにらみます。次に、そのリストの中から、これだ! と思う酒を数点(2〜3点)に絞ります。リストには米の種類や精米率、日本酒度や酸度など事細かに書いていますから、意中の酒を選ぶのは難しいことではありません。そして、その数点だけを利き酒。残りの評価はどうするかというと、車で来ていない人の利き酒評価を参考にするという方法です。
 会場には車でなくても来られる酒販店、車の運転をしない蔵元や杜氏さん、製造担当の方々も来ています。当然、皆さんは一点残らず真面目に利き酒をします。その際、自分の利き酒評価を確かめるかのようにそれぞれの評価を会話しながら進めてゆく、決まったようにどこの会場でもそうなのです。そして、当方はその会話をじ〜〜っと聞いて、酒の評価をまとめるというわけなのです。
 こんな方法で、今年の飲み切りもできる限りの蔵を回るようにしました。しかし、飲み切りや一般公開などの「利き酒会」を現在のような形で行うのは、もう限界ではないかと思います。ほとんどの利き酒会がウイークデイの日中、一般公開に至っては朝から始まりお昼で終わり! そんな時間帯に、利き酒とはいえ酒を口に入れる・・・車で会場に行く以前の問題かもしれません。
 まんさくの花の社長さんが、来年からは泊り掛けにしようかなあ〜と発言していましたが、面白いですね。舌や口先だけではなく、吐き出さずにごくっと飲み込んで喉越しを確かめ、次の日の酔い覚めまで確かめられる。本当の利き酒会ができるかもしれません。それに、楽しいよなあ〜。もし、それが実現したら皆さんにもお誘いした方がいいですか? ご希望の方は、今から手をあげて下さいね。

美郷町六郷の春霞
 春に発売した「桜花純米・限定瓶囲い」のように、キレイで飲み易く味わい深さもあるということで、サッパリ系が好きな若い人にも好評です。ただ、飲み切りでは、香りはともかく味わいが少し単調な印象でした。大吟醸から普通の純米まで複雑味がなく一本調子なのです。専務の栗林直章さんは、味が一つの塊になってしまっている、もう少し様々な味わいがほしいと言ってました。その中では「深山春霞・限定瓶囲い」がかなり濃い〜のに、すいっと飲めるようです。こういう酒は、常温で飲むと膨らむんですよね。
 写真は、蔵の専務にまで悩まれてしまって、ちょっと困ったような後ろ姿の亀山杜氏さん。そう見えたのなら、ご免なさい。
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横手市浅舞の朝乃舞
 新酒生酒の時から、ん!これまでの強烈な酸味と強面のボディから飲む人に寄添うように、ちょっと変ってきたかなと感じていたのですが、ひやおろしになって、酸味も味もま〜るくなって飲む人を包み込むような味わい。いいなあ〜。で、やっぱり美山錦の「山廃純米吟醸・田从」が、新酒生に続いて一番でした。他には、12BYの山廃純吟秘蔵古酒(美山錦)、6BYの山廃純吟秘蔵古酒(吟の精)の奥行きの深い旨味には強烈に引き付けられました。とは言っても、どちらも物凄く個性の強い秘蔵古酒、1、8入で1万円でどうやって売ったらいいんでしょう。自分で居酒屋でも開店し、一杯づつでも飲んでもらえるんだったら、一番先にお勧めしたい一杯になると思うんですけどね〜。
 写真は、いつもの通り商品出荷所に簡単に並べられた「物凄い酒」たち。酒の物凄さに驚かされて、造り人の工藤華子さんを撮るのを忘れてしまいました。
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横手市浅舞の天の戸
 もう、どれをとっても安心してお勧めできる酒ばかり。その性質を知り尽くした地元の酒米だけを使う、その自信が酒にも現れています。濃い酒も、きれいな酒も、気持ち良〜く飲めそうなのです。今年は、久しぶりにご紹介しますが、「天の戸・純米吟醸ひやおろし」が抜群の良さでした。純米吟醸・五風十雨とは、美山錦の50%精米で同じ規格なのですが、どこかひと味高級な感じなのです。五風の酵母は9号系、天の戸・純米吟醸はAK−1。それが、この違いになるのかどうか分かりません。でも、違うのです。サパーっとして、ツイーっと伸びがよくて、美味しい。
 写真は、もうすぐ始まる稲刈に、そしてその米でどんな酒を仕込もうかと、もうこの冬の酒造りに思いを馳せている夏田冬造の森谷杜氏さん。・・・本当は、今朝の出がけに奥さんとちょっと言い争ってしまって、帰ったら何と謝ろうかと考えていたりしてネ?
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# by nbhkkry20 | 2006-09-25 22:16

能登 輪島(9月4〜5日)

 八尾のオワラ、夜明まで町練りと一緒に歩こうと思い朝方の4時頃まで頑張ってましたが、寄る年波か? 祭りの酒に酔ったのか? もう駄目。残念でしたけど、天満町に戻ってご就寝。
 で、夜が白々としてきた6時頃だったかな、遠くの方から胡弓のあの物悲しい音色と細くかん高いオワラの唄声、そして時々雪駄が地面を踏むパタッという音が聞こえてきたのです。見たい、眠い、見たい、眠い・・眠い・・・今、聞こえるあのオワラは、夢かうつつか幻か・・・ZZZZZZ。何とも、極上の夢の世界に遊んでいるような気分でした。

 今回の北陸旅行には女房のすぐ上(といっても15歳年上)のお兄さん夫婦が一緒でした。そのお兄さんの奥さんのお姉さんが、石川県の輪島に嫁いでいるのです。ということで、二日目の目的地は能登半島。
 富山から車で3時間弱。着いた輪島は、夏の名残りの日射しが眩しい良〜い天気。青い空に、岩と松がきれいな鴨ケ浦海岸では、子供たちが岩を利用して作った海水プールに自転車ごとダイビングして遊んでいました。海の子だねえ〜。
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 輪島といえば、朝市と御陣乗太鼓(かな?)。朝市は明日の朝として、御陣乗太鼓なんて見られないと思っていたら、近隣の温泉や民宿に泊まった観光客のために、太鼓の演技会が毎晩行われているとのこと。さすが一大観光地輪島です。で、夜は御陣乗太鼓ですっかり体はドンドコドン。恥ずかしくて写真はアップしませんが、演技の後には鬼さんたちと記念写真まで撮って、すっかりミーハーでした。
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 この三連休、祭りの酒に酔いつぶれて北陸の酒事情の勉強などすっかり忘れてしまったとお思いでしょう。いや、いや、私も根っからの酒屋です。ちゃんと勉強もしてきましたよ。
 期待の朝市が今一つで、写真も撮らず早々に退散。その朝市会場から車で5分、能登の白菊という銘柄で有名な白藤(はくとう)酒造さんを訪ねてきました。
 かなり以前にご子息さんと一度お会いしただけだったのに、突然訪ねて図々しくも酒屋と名乗ったら、なんとお蔵の中まで案内してくださり大感激。小さいけれど凛とした風格のあるお蔵で、初めて酒蔵に入った義兄夫婦も感激していました。
 我が店で白菊を扱うことは今は考えていません。でも、蔵の店頭で買ってきた五百万石の純米酒は、能登の人たちのように優しく、日本海の荒磯で太鼓を打つ鬼たちのように力強い極上の旨酒だったことをご報告しておきます。あなたも、どこかで白藤酒造の「能登の白菊」か「輪島物語」を見つけたら是非お求め下さい。絶対に損はさせません。
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 ということで、店を二日も休んでの北陸旅行。お陰様で楽しい旅をすることができました。
 お休みでご迷惑をおかけした方がいらっしゃるかと思いますが、何卒ご勘弁をお願い申しあげ・・・と、二十日も過ぎてからの旅のご報告で申しわけありませんが、これもまたご勘弁をお願い申しあげます。
# by nbhkkry20 | 2006-09-22 23:07

越中八尾 風の盆(9月3日)

 八尾は坂の町、どこへ行くにも登るか下るか。写真の諏訪町のようなだらだら坂もあれば、前屈みになるような急坂や、ちょっと足を踏み外せばまっ逆さまに下まで転げ落ちてしまいそうな急階段、慣れていない観光客にとっては結構きついんです。きっと、八尾の人たちは足腰がしっかりした人が多いんだろうなあ。
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 女房の親戚の住まいは八尾の旧町内の一つ天満町、もちろんオワラの地方(唄、三味線、胡弓、太鼓)も踊り手も揃っています。
 9月3日、祭りの最終日は観光客に見せるための舞台踊りはなく、1日、2日と二日間夜遅くまで踊った疲れも忘れ、自分達のため町内の人たちのために、夜が明けるまで幾度となく唄い、踊るのです・・・まるで、今日の記憶を消したくなくて身体全体に刷り込むかのように。
 田の仕事を模したという男踊り。
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 編み笠も艶っぽい女踊り。
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 中空には上弦の月、道には行灯の列、唄い踊る人と町内の人が一体となってオワラを楽しむ町練り。こうして、風の盆はすぎてゆくのです。
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# by nbhkkry20 | 2006-09-21 22:32

コスモスロードで一句

 自転車散歩復活の二日目。撫子(ナデシコ)の花を見つけたくて、今日も草生津川沿いのコスモスロードをポタリングです。
 なぜ撫子かというと、先週末に入荷した「天寿の純米吟醸・鳥海」に使われている酵母が、かの有名な花酵母第1号の撫子の花から分離したND-4酵母だからなのですが、撫子の花って見たことあります? 今や死語になりつつある大和撫子という言葉では知られていますが、ではどんな花? と問われるとこれがなかなか難しい。じゃあ、実際の花を見てもらえば少しは天寿を飲んでもらえるんではないか、という魂胆なのですよ。
 撫子にも何種類かあって、秋田でよく見られるのは可愛いピンク色の河原撫子。7月から10月頃が花期で、日当たりの良い野原などに咲くとあります。コスモスロードは日当たりが良く、川原もけっこう広く、野草花の種類も多い所です。それに、ここ数週間は大雨も降らず台風の影響もなかったので、1時間も探せばなんて軽く考えて出かけました。川岸を注意深くみながらゆっくり走らせたのですが、時期が遅かったのかなあ。ピンク系の花といえばコスモスだけ・・・収穫ゼロでした。ということで、もし見つけたら写真をアップしますが、とりあえずどんな花かは野の花図鑑ででもご覧下さい。
 ところで、「天寿・純米吟醸・鳥海」、これが旨いんですよね〜。実は、天寿の純米吟醸・鳥海山というND-4酵母の酒と同じ仕込なんですが、わざわざ「鳥海」としたのは「鳥海山」とはちと違うからなんです。1、8入りも720入りも、どちらも瓶燗火入れで瓶貯蔵。8月31日の一酒一会で書いた「佐藤杜氏もびっくりの旨さのお酒」ってこれなのです。
 有名だけど飲み手のプロには評判の悪い「花酵母」ですが、この「天寿の純米吟醸・鳥海・瓶燗火入れ」は旨い! 花酵母、特にND-4の評価を少しはアップできそうです。是非、お問合せ下さい。
 さて、撫子の花は今日のポタリングでは見つからなかったのですが、その代わり面白い風景に出くわしました。何と、猫が草原で秋の風に吹かれながら俳句をひねっているのです。なわけはありませんが、カメラを向けたら目を円くしてカメラ目線になってしまいましたが、それまでは風にヒゲをたなびかせ目を細めて、本当に一句ひねっているような風情でした。
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# by nbhkkry20 | 2006-09-19 21:22 | 秋田のいろいろ

コスモスロード

 台風13号が、今は(9月18日午後)能登半島と大陸の中間ぐらいの日本海上にいるようです。九州では大きな被害になりましたが、秋田は、今のところ風が時々びゅう〜〜んと唸りながら吹く程度で雲一つない快晴です。ウエブの進路予報では日本海を大きく右回りして北上し、20日頃には北海道に近づきそうとのこと。稲の刈取りやリンゴの収穫ももうすぐなだけに、大きな被害がないように祈るばかりです。
 さて、ここ2週間、HPもブログも更新をさぼってしまいましたが、怒濤のような2週間、あまりの行事の多さで自転車散歩はもちろん更新する気力と、何よりも体力が追いつかなかったのです。・・・また一歩、今日のこの日に祝福される側になりつつあるんですよね〜、悔しいけれど。
 9月3日〜5日の富山から輪島に行った夏休み、7日は県南4蔵を回る酒蔵での利き酒会、10日刈穂蔵での朝早くからの出羽の雫販売会の打合せ、午後からはやまとしずく販売会の利き酒及び総会及び懇親会、12日は55年ぶりに秋田にきたプロ野球の巨人VS中日戦の観戦、13日秋田県卸の商品展示会、16日は居酒屋酒盃さんでの刈穂を楽しむ会などなど。その一つ一つの行事には、商いとはいえ必ず「酒」がくっついていたのですから、体力が追いつかなくなるのは当然だろ! 野球観戦ぐらい酒を外せばいいでしょ! なんて言われそうですが、ナイターにお酒がなくて何の楽しみ・・・ですよね。
 ということで、この2週間のことはその間に撮った写真を整理しながら(自分の記録のためにも)少しづつでもブログで書くことにして、久しぶりの自転車散歩に行ってきました。
 春、ニルバーナ号を買って初めて通った草生津川の散歩道。あの頃は土手の桜が終りかけで、散る花びらを踏みながら通ったのですが、その桜は早くも葉っぱを落とし、車輪がピシッ、ピシッと音を立てて乾いた葉っぱを踏みつぶしていくのが気持ちいい。そして、土手の上にはコスモスがいっぱい・・・秋ですねえ。
 そういえばこの散歩道、コスモスロードっていう名前がついていました。
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# by nbhkkry20 | 2006-09-18 15:50 | 秋田のいろいろ