刈穂・19醸造年度 出羽の雫(08-10-30 THU. )

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時々日照時間180分) 日中の気温が15度を切るようになって、朝夕だけでなく、昼間もストーブを点ける時間が長くなってきました。
 薄い雲はかかっていたけれど、一日中晴れ。いくら寒くても、お日様が顔を出していれば気分はいいもんです。明日からは、また時雨れる日が続くという予報なので、今日は貴重な晴れの一日でした。

 さて、お待たせ致しました。8月に品切れになってから三ヶ月。『刈穂・昔生モト純米・出羽の雫・19醸造年酒』がようやく入荷するということで、小売店の役得? 皆さんよりひと足早く、イヤひと舌早く? 利き酒することができました。
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 最近、「昔みたいに、酒くさい酒はない?」というお客様がけっこういらっしゃいます。吟醸香のない、米の香りや味が酒に出ている、米くさい酒はないか? ということだろうと思います。

 確かに、低価格の普通純米にしても本醸造にしても、純米吟醸や吟醸のようなワンランク上の香味をもったお酒が増えてきました。そういうお酒は、サービス満点のお酒としてたちまち人気があがります。今のような経済状態なら、これから益々増えてゆくのではと思います。

 しかし、低価格の普通純米や本醸造の愛飲家には、もう少し違った意味でこれを愛飲してきた方達も、そんなに多くではありませんが、確かにいらっしゃいます。
 普通純米や本醸造は、その多くが吟醸香が無いぶん料理の邪魔をせず、雑味は多少あるけれどコクがあり、冷やでも燗でも味は崩れず、いくら飲んで飽きがこない。いわゆる毎日の晩酌を欠かさない愛飲家のお酒でもあったのです。そして、これが、今の吟醸っぽくなった純米や本醸造と比べれば、米くさいというか、酒くさい酒だというわけです。

 『出羽の雫・19醸造年酒』。まさに、「酒くさい」お酒だと思いました。
 「生モト造り特有の乳酸系の柔らかな香り、米から醸し出される酒本来のほんのりとした甘味は旨味となり、冷えている時はキリッと後が締まり、酒温の上昇と共に滑らかさが増し、極ぬる燗をすれば飲み飽きを忘れ、いつまでも飲み続けられるような気にさせてくれる、「米の秋田は酒の国」を体現するような」と、昨年書いた感想そのまま。今年も、何も変わっていません。

 周りのお酒がどんどん洗練されて、都会っぽく変わってゆく中で、「出羽の雫」の酒質は、基本的にはほとんど変わっておりません。そのため、「出羽の雫」は「酒くさい」だけではなく、都会化されない「田舎くさい」酒、秋田弁で訛れば「じゃんご(在郷の訛り)くさい」酒、古いタイプに属するお酒かもしれません。でも、こういうお酒でなければという愛飲家も、少ないけれど全国にはまだまだいらっしゃるようです。

 醸造と発売を始めて20年、二昔が過ぎました。「出羽の雫」というプライベートブランドで醸造や販売をする、そういうお酒の時代はそろそろ終わりかなと考えていました。しかし、多くの酒が一様に都会っぽく、吟醸っぽくなってゆく中で、酒くさく、田舎くさいお酒を求める愛飲家がまだまだいることを思えば、「出羽の雫」の使命はまだまだ終えてはいない。むしろ、「出羽の雫」のような酒質を求める愛飲家を、こちらから全国に探しにゆかなければならないのではないか?

 ‥‥一口、二口の試し酒で、久しぶりにこんな真面目に考え事をしてしまいました。「出羽の雫」って、飲む人を考える人にしてしまうのでしょうか? なぁ〜〜んて、考えるより飲んだ方がいいですけど、ね。

 1.8入り2,800円、720入り1,400円、嬉しい値上げなしの価格です。是非、賞味して、あなたも考える人になってみませんかぁ?
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<10月〜11月の行事予定>     
・11月01日(土) 刈穂「19BY・出羽の雫」発売日
・11月02日(日) 定休日
    3日(文化の日)は通常営業致します
・11月09日(日) 定休日
・11月16日(日) 定休日
・11月23日(日) 定休日
    24日(勤労感謝の日)は通常営業致します
・11月28日(金) 「やまとしずくで大忘年会(仮称)」開催
by nbhkkry20 | 2008-10-30 22:58 | 刈穂
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