刈穂・蔵付酵母仕込み(08-12-02 TUE. )

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時々日照時間146分) 午後はず〜〜っと雨模様でしたけど、気温が11度。暖っか〜〜くて、老体には楽〜〜な一日でした。
 景気が悪いとはいえ、やはり12月。なんだかんだで、今日も外に出られたのが夕方4時過ぎ。結局、写真は昨日と同じ黄昏時になってしまいました。
 実際の景色はもっと明るいんですが、写真で撮ると、暗部ができて面白いものです。夕焼け雲もいいし‥‥何といっても、お堀の向こうの通りに、人がたくさん通っている! ように見えるのがいいですねぇ。

 ということで、久しぶりに利き酒のご報告。
 10月23日に、“やまとしずく”会の秋田地区研修会の模様を簡単にご紹介しましたが、その際の利き酒研修の写真に出ていた「刈穂の黄色いラベルのお酒」。11月になって発売を開始しています‥‥『刈穂・蔵付酵母仕込み生モト純米酒』です。
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 酒造りには欠かせない日本酒酵母ですが、明治期以前は今のような育成酵母(協会酵母)がなかったので、自然界(蔵内)に浮遊する、いわゆる蔵付酵母で酒を造っていました。
 蔵付酵母での仕込みは、酵母自体の力が弱かったり、酵母が突然変異をおこしたり、非常に不安定な酒造りだったようです。

 刈穂は、その蔵付酵母での仕込みにあえて挑戦‥‥たぶん、明治期以降、育成酵母を使わない酒造りは秋田ではおよそ100年ぶり。画期的な挑戦をしたといえるのではないでしょうか。何〜故〜?

 実は、蔵からはその意図があまり明確に伝わってこないのです。
 昔の酒の味わいを求めたとか、酒造りの原点を探ってみたとか、何か目的があってもよさそうなものですが、発売からかなり経っていますが、なかなか伝わってきません。
 しかし、利き酒をしたこの酒の味わいからは、蔵付酵母仕込みの時代の酒はこんな酒だったのかと思わせる、つまり「昔の酒の味わい」が伝わってくるように思うのです。

 香り‥吟醸香などにはほど遠く、かといって酒臭〜くもなく、おとなしく凡庸な酒の香り。味‥鋭くもなく、鈍重でもなく、特にキレるわけでもなく、凡庸な味わい‥‥しかし、しかしです。いくらでも飲める。しかも、どんな料理にもまったくと言っていいほど邪魔をしない。いや〜、これには驚きです。

 毎日二合〜三合の晩酌を欠かさず、季節によってはお燗をして飲む、それでいてけっこう酒の味にうるさいお客様が、この酒に完全にはまってしまいました。だって、どんな晩飯のおかずでも美味しく飲めるもの、とおっしゃっていました。

 ところで、蔵付とはいえ、ず〜〜っと大昔の酵母が生きているわけはありません。ここ暫くの間に刈穂で使われた酵母、協会6号や9号、AK-1酵母やこまち酵母などの生き残った酵母が、酒毋のタンクに落ちて発酵したものです。
 ですから、「純粋」な刈穂蔵酵母とはいえない‥‥とは言っても、これだけのお酒を「勝手に」造ってしまう酵母が蔵の中にはウヨウヨいるんですね〜。そんな情景を想像しながら飲むのも、こりゃあ一興ですよ。

 これで、1.8入りで2,940円と720入りで1,470円。美山錦60%精米の生モト仕込みとしては少し高いかな? でも、もしかしたら、酵母の力が弱くて酒にならなかったかもしれないというリスクを克服した蔵の努力に敬意を払って、良しと致しましょう。

刈穂・蔵付酵母仕込み(08-12-02 TUE. )_c0084908_22595960.jpg なお、『刈穂・蔵付酵母仕込み生モト純米酒』は正式名称ではなく、当店独自に付した名称です。蔵からは「刈穂・酵母無添加仕込み」として出荷されています。
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<12月〜1月の行事予定>     
・12月07日(日) 定休日
・12月14日(日) 定休日・酣々塾の忘年会
・12月21日(日)  
 12月23日(天皇誕生日) 通常営業致します
・12月28日(日) 定休日
・ 1月元旦〜2日  お正月休み
・ 1月 4日(日) 定休日
by nbhkkry20 | 2008-12-02 23:05 | 刈穂
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