☁後☀(日照時間・324分)
それにしても、7月に入ってからの天気概況に「晴」という言葉が記録されたのは、驚くなかれ今日までたったの8回! しかも、ほとんどが「一時晴」か「時々晴」、快晴はたったの一日。そのうえ、雨は過去5、6年の1.5倍から2倍も降っていて、ホントに天気の悪い7月でした。 予報では、29日、30日も曇り時々雨で、お日様マークが顔を出すのは8月になってからです。やっぱり、梅雨明けはないんでしょうかねぇ? 日照不足、多雨、低温‥‥農作物への影響が、本当に心配です。 さて、先日少しだけご紹介した 『新政・純醸モト特別純米 翠竜(すいりゅう)』。 本日入荷してきましたので、今度は詳細にお伝え致します。 これまでの秋田の蔵から発信した文章で、こんなに明確に自分の酒を説明したのをみたことがありません。少し長い文章ですが、是非、是非、最後までお読み下さい。きっと、何としても飲んでみたい気持ちになりますよ〜〜ん。 ということで、佐藤祐輔さんの文章は斜体で、私は間の手を(赤字)で入れています。ご承知置き下さい‥‥ 今年の秘醸酒のラインナップ中、もっとも困難な仕込みを経て造られた「翠竜(すいりゅう)」。私筆者も、今年のすべての酒の中でもっとも好きな不思議なお酒です。 (造った人が、最も好きな酒。そう表明できるなんて、良いことですね) 先ずは、設計が異常。かねてから、私は、速醸酒毋という酒毋の造りに疑問を感じておりました。 そもそも醸造用乳酸は、何から出来ているかよくわからない。安いものは石油原料から合成しても造れます。発酵法によるハイランクの乳酸でも、どんな培地で、どんな乳酸菌が働いて作り出されたものなのか、清酒メーカーが知りうることは少ないのです。 (んむ、酒屋を35年間やってきたけど、合成乳酸にこんなに明確に疑問を呈した蔵元は初めてだ!) そこで、当社は今年、清酒本来の技術である「山廃造り」にもトライしてみたわけですが、ご存知のように「山廃」というと、特殊な味わいがあります。あれは、活発に乳酸菌が発酵すると出てくる雑味だったり、淘汰される以前に湧いてしまった雑菌が生成した呈味成分です。 (よくあります、雑味としか思えない旨味の山廃酒‥‥よく言ってくれました) 『僕、発酵食品です!』と言わんばかりのあの味が嫌われ、ついには「山廃らしくない」のが「良い山廃」のような風潮すら見受けられる始末となりました。 (最近の超人気の山廃酒は、ほとんどがこれだな) 「いかに山廃的でない山廃を造るか」という気持ちで山廃を造るのは、(山廃が嫌いな私でも)なんとなく複雑な気持ちにならざるを得ないと思います。 (ほほー、祐輔さんは山廃が嫌いなのか。私も、最近はあまり好きなほうではないけれど、彼は山廃のどこが嫌いなのかな? 今度、聞いてみよう) 「この山廃、山廃らしくなくておいしい」といわれたら、造り手として喜ぶべきでしょうか? 「この日本酒、ワインみたいでおいしい」と言われたら、素直に喜べないものと通じるような気持ちがします。 (前者は喜ばれないけれど、後者のワイン云々は、素直に喜んでもいいんじゃないかなぁ?) そんなアンビバレントな心境を打破するために、設計したのが、この「純醸(じゅんじょう)モト」製法です。 これは、酵母が自力でも多量の酸を出す能力に注目し、自ら生成した酸によって雑菌汚染を防がせるという製法です。 麹や蒸米を冷凍殺菌し、さらに数回に分けて仕込むなど、異様に手間がかかる酒毋でしたが、見事成功!(パチ、パチ、パチ‥‥) このお酒はその製法上、乳酸菌は関与していません。無論、醸造用乳酸も添加していません。そのため、酒の中の有機酸構成は、酵母由来のものがほぼ全てです。 (乳酸発酵してない日本酒? そんなこと出来たんだ。へぇ〜〜) つまり、酵母の特徴がクリアにわかる製法、よって純粋醸造酒毋‥‥「純醸モト」なのです。 さらにこの製法は、海外の有機規準では添加物と見なされてしまう醸造用乳酸を使っていないため、生モト/山廃製法の他に、世界標準のオーガニック認証を取得できる製造方法が新たに誕生したことにもなります。 (そういえば、乳酸添加の速醸仕込みのオーガニック酒が、突然販売を中止にしたことがあったけど、もしかしてこのことと関連あったのかなぁ?) 味はマスカットを思わせる、酸味の高いものに仕上がりました。酸を出す特性が酒毋で備わったようです。 口への入りはかなりソフトですが、引き締った酸と、味未満のふくらみが口の中で広がります。どことなく、山廃/生モトと通じる「何か」があるような気がします。 山廃みたいだけど、山廃でない。鮮やかな酸味が際立つ、現代的な味わいです。「ワインみたいでおいしい」のではなく、「やっぱり日本酒はおいしい」と言ってもらいたいお酒です。 酸がやや立ちますので、冷やしてお楽しみ下さい‥‥ ‥‥ということですが、マスカットは大袈裟としても、爽やかな果実系の香り、際立つ酸も身体には穏やかで、苦味として後に残ることもありません。 一言で言えば『サラリと辛口、酸味やや高し』。キリッと冷やせば今の季節が飲み頃の、ワインのようにサラリと美味しい『新政・純醸モト特別純米 翠竜』なのです。 参考までに‥‥使用米は、麹:山田錦、掛:美山錦、精米率:60%、酵母:協会6号、麹菌:吟香&No.5 で仕込まれ、アルコール度:16度、日本酒度:+4.0、酸度:1.5、アミノ酸度:1.1という酒暦です。 そして価格は、1.8入り2,800円、720入り1,400円。上記スペックでこの価格は、絶対にお得です。その代わりというか、ラベルは、写真で撮るのも苦労するほど、ホントにちゃち‥‥といっても、ラベルを飲むわけじゃないですからネ。ご勘弁下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <7月〜8月の予定> ・ 7月29日(水) ナイター観戦 楽天vs西武 於・こまちスタジアム ・ 8月02日(日) 定休日 ・ 8月 3日、 4日、 5日、 6日 秋田市・竿燈祭り ・ 8月09日(日) 定休日 ・ 8月16日(日) 定休日 ・ 8月22日(土) 臨時休業・大曲・全国花火競技大会 引率のため ・ 8月23日(日) 定休日 ・ 8月30日(日) 定休日 ・10月17日(土) 臨時休業 ・京都・白沙村荘とまんさくの花・不死鳥の会出席のため
by nbhkkry20
| 2009-07-28 22:49
| 新政
|
カテゴリ
全体 秋田のいろいろ 品評会、きき酒会 秋田晴 朝乃舞 阿櫻 東一(佐賀県 嬉野市) 天の戸 新政 一白水成 角右衛門・福小町 刈穂 喜久水 銀鱗 上喜元(酒田市) 太平山 大納川・天花 高清水 たてのい 千代緑 出羽鶴 天寿 ネクスト5 春霞 秀よし 飛良泉 福乃友 豊盃(弘前市) 福禄寿 まんさくの花 やまとしずく 山本・白瀑 ゆきの美人 雪の茅舍 両関 WAKAZE 秋田の名産品・佐七の塩魚汁 秋田の名産品・稲庭干饂飩 秋田の名産品・アカシヤの蜂蜜 東北の酒・日高見 関東のお酒・神亀 関西の酒・梅乃宿 大分の麦焼酎・杜谷 宮崎の芋焼酎・松露 国産ワイン・甲州&善光寺 北国のいろいろ 日本のいろいろ 世界のいろいろ 未分類 以前の記事
2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 more... ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||