胡蝶の夢

 天の戸から、面白〜〜いお酒が発売されました。
「純米大吟醸・五年熟成・胡蝶の夢」
 38%まで磨いた吟の精とAK-1酵母を使い、2002年の冬に醸された純米大吟醸を、(柿崎社長の話では)冷蔵貯蔵したいのをグッと我慢して、小屋の隅に、常温で、五年間、放ったらかしにしていたというのです。
 本当? そんなことなど出来っこないでしょう。きっと、秘密裏に立派な熟成室を作って、毎日毎日厳しく管理をしてきたんじゃないのかなあ。
 ところで「胡蝶の夢」・・・蘭の花の名前かとばかり思っていましたが、大昔の中国の思想家・荘子さんの有名な説話のことだというのです。
 「荘周が夢を見て蝶になり、蝶として大いに楽しんだ処、夢が覚める。果たして荘周が夢を見て蝶になったのか、あるいは蝶が夢を見て荘周になっているのか。どちらともわからぬ、どちらでもかまわない。」(ウイキペディアより)
 荘子の思想・無為自然を的確に表した説話だというのですが、・・そうか! 「常温で、小屋に、放ったらかし」は、まさに無為自然! 本当に、常温で小屋に放ったらかにして熟成させたんですね。
 契約農家が心を込めて育んだ酒米、その米で蔵人たちが骨身を惜しまず醸したお酒の力強さと長命たることを信じて、思い切った常温熟成に挑戦した、それがこの「胡蝶の夢」なんですね。
 日本酒度マイナス10、五年前の新酒からは想像できない酒質になっています。果たして、美味しいのか、美味しくないのか?・・「どちらともわからぬ、どちらでもかまわない」まさに、無為自然の熟成酒です。
 ただ、キリッと冷やしてアペリティフ、常温にしてデザート酒。そんな飲み方がおいしいと思いますが、グビグビと飲んでしまうのだけは勿体ない。「夢」が醒めてしまいます。
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 今年の出荷は400本限定。一本、一本に出荷番号が付されて、当店入荷は24本(111番〜124番)。お早めに、お試し下さい。
・500ミリ入 2,500円
終売致しました
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by nbhkkry20 | 2007-07-28 22:25 | 天の戸
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