現在、酒造りをしている秋田の蔵で石高の最も少ないのが、たぶん、横手市浅舞にある朝乃舞。その朝乃舞から、小粒だけれど芯のしっかりとした、今季仕込みのお酒が出荷されました。
今や幻となりそうな米ヨネシロを使った、生詰一回火入れで無濾過原酒の特別純米・田从(たびと)。18BYの朝乃舞はこれだけではないかと聞いています。もしかしたら、米も幻、酒も幻となるかも・・・そんなことは別にして、今まで以上に美味しいお酒に仕上がっているのです。 このお酒の米ヨネシロは昭和30年代に青森で開発され、耐冷性に優れた飯米です。ヤマセの冷害に悩む太平洋側や北東北の山間寒冷地などを中心に、昭和40年代には5万ha近くも作付けされていました。が、平成17年の作付け面積はたったの1ha、幻になろうとしている米なのです。 しかし今、このヨネシロが関東以北で少しずつ使われ始め、他にはない個性的なお酒を醸し出しています。長野では、新たに農家と復活契約栽培までしてヨネシロの酒を醸しています。何故なのでしょう? ヨネシロは稲稈が短く倒れにくく、耐冷性や耐病性に優れる。それは、足が短くて腰が据わり、かなりの寒さや流行り病などものともしなかった、一世代、二世代前の日本人そのもののようなお米です。そして、この米からできるお酒も、素っ気ないけど味の巾があり、冷や燗どんな飲み方をしても崩れずに、毎日でも楽しめるお酒になるのです。 この田从も、まさにその通り。それに加え、田从の力強さは飲む人に明日のエネルギーも与えてくれるような、そんなお酒に仕上がっているように感ずるのです。 でも、宮城との県境で栗駒山の山懐、仙人が住むといわれる東成瀬村のヨネシロで醸した酒なのに、どこか秋田っぽくない洗練された味わいが隠されているような・・・? 不思議な、不思議な田从です。 是非、是非、お試し下さるようお願い致します。 ・1.8リットル入 2,940円 ・720ミリ入 1,470円
by nbhkkry20
| 2007-10-08 13:45
| 朝乃舞
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