春霞・みさと町の、みさと錦の、純米吟醸

 まんさくの花・七山を紹介した際に、秋の新商品の出荷がなくて物足りないようなこと書きましたが、その声が蔵元に届いたのでしょうか。二つの蔵からポンポンと美味しいお酒が入荷してきました。
 その一つ、「春霞・純米吟醸・美郷錦仕込み」です。
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 春霞の蔵がある美郷町は、三年前の大合併で千畑村、六郷町、仙南村が一緒になって出来た町です。
 蔵は旧六郷町の中心部にありますが、そこはまた、ご存知の六郷湧水群のまっただ中。蔵の入口にも清水があり、栗林(りつりん)清水と名付けられた湧水は今も通る人の喉を潤しています。そして、この旧六郷町から奥羽山脈に続く広大な扇状地は秋田の良質米産地の一つ。水良し、米良し、酒造りの条件に大変恵まれた所に蔵があるのです。
 しかし、三年前に美郷町が誕生した際、誕生を記念して春霞で造った美郷錦仕込みの記念酒、実はその美郷錦は美郷町で栽培された酒米ではなかったのです。まさか、合併後の町名が美郷となるとは思いもよらなかったこととはいえ、春霞とすればよほど悔しかったのでしょう。早速、町内の農家と美郷錦の栽培契約をし、そうして美郷町生まれの美郷錦を誕生させたのです。
 美郷錦の米の栽培特性からすれば、三年で一仕込み出来るまでになったのですから農家も蔵も大変だったと思います。でも、同じ美郷を名乗る町と米。美郷町民の意地と誇りをかけて作り上げた米であり、醸し上げたお酒と言っても過言ではないかもしれません。
 蔵は、「上品な味わいのお酒を目指した・・・」とサラリと紹介していますが、精米50%程度の純米吟醸なのに、麹は手間のかかる箱麹法、新酒時に一度だけ火入れをし、6度C前後で貯蔵熟成させるなど、思いのほか力が入っているはず。
 日本酒度+0.5と少し甘めの数字も、1.5という酸度とのバランスが良く、甘いという感覚はない。立香は穏やかだが含んだ香りは豊かで、滑らかで優しくスルリと喉を通り、きれいに延びる余韻が何とも云えず、蔵の云う通りにまさしく上品な味わいです。この季節なら、冷やさなくても常温で美味し〜〜く飲めること間違いありません。蔵出荷は、1.8換算で300本の極少量。どうぞ、お早めにお楽しみ下さるようお願い致します。
・1.8入 2,920円 ・720入 1,460円
終売致しました
by nbhkkry20 | 2007-11-15 23:17 | 春霞
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