白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)

白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20415515.jpg時々日照時間40分)最低気温が3℃台で、時々降ってくるのは雪ではなく雨です。凍っていた雪が融けて、道路はこの有様。人は砂浜で足をとられように歩き難く、車は大きくあっち傾きこっち傾いて看板にぶつかりそう。融けたからといってこのまま春になるわけもなく、明日からはまた厳しい寒さに戻るという予報です。


 さて昨日の日曜日、八森町の「白瀑」山本合名さんを訪ねました。
白瀑さんは、明治34年の創業以来続けてきた杜氏制を止めて、今季から営業の中心だった山本友文常務(37)が製造責任者となって、杜氏なしの酒造りをすることになったというのです。
いろんな理由でそうせざるを得なかったのでしょうが、その話を聞いた時、「叩き上げでもない素人が、そんな馬鹿な」という不安と、「面白い、楽しみだ!」という期待とが半々でした。そして昨年末、先にお伝えした『ど』の暴発事件などもあって、少〜し不安の方に傾いていました。
そこで、大吟醸や出品酒の仕込みが始まるこの時期、山本さんの活躍ぶりを見たくて訪ねたというわけです。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20425995.jpg吹雪の高速道路を飛ばして行ったけど、着いたのは10時過ぎ。一仕事終わって休憩時間でした。今日の出勤は、日曜日とあって山本さんいれて全部で5人。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_2043519.jpg精米所の入口から見える向こうの山の杉林の中に、白瀑の仕込水の取水所があります。あそこから蔵まで約3キロ。ずーーっと、専用のパイプが通っているんですよ。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_2044276.jpg運ばれてくる水は、もちろん世界自然遺産・白神山地で生まれた水。
蔵の前の旧街道にでれば、どこからでも白神山地の山並みが見えます。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20452716.jpg数年前に導入した新式の精米機。他の蔵よりゆっくり回すため、醸造試験所から「精米の丁寧さは県内一、二」と誉められました。でも、あまりゆっくりなんで、造りの最後には仕込みに間に合わなくなっちゃって・・もう一台あればいいですけどネ。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20462429.jpg少人数でも手洗い洗米と同じ効果が得られる新型の洗米機。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20465694.jpg皆さんも初めてみたようで、面白くてなかなか離れようとしません。


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洗米所から仕込蔵へと続く通路から、音楽が聞こえてきます。ん? もしかして、仕込中の醪に音楽を聞かせて美味しくなってもらおうという、あの蔵粋(クラシック)の真似?
いえ、流れていたのは、ビートルズのペニーレーン。iPodに好きな曲をいっぱい詰めて、24時間流している。もちろん、山本さんの趣味なんですが・・・シ〜ンとした冬の真夜中、たった一人でタンクの様子を見に来て、櫂を入れたり、帳簿に記帳したり、明日の仕事の手順を考えたり、「淋しいですよ〜」だって・・・分かりますねぇ。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20483641.jpg仕込蔵からさっきの洗米所を振返ったら、ビートルズがやってきた、ヤァ! ヤァ! ヤャ!  懐かしいなぁ。私が19の時です、渋谷でこの映画を観たの。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20491063.jpg仕込タンクはほとんどが開放タンク。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20495398.jpg13号仕込は、たぶん3月に最後の出荷をする「ど」。今年の仕込総本数は40本ということで、ようやく半分に近づいています。まだまだ気が抜けません。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20504214.jpgこだわりの米を使った、ちょっと大事な仕込タンクの側には、アビーロードの道路標識のレプリカが・・・。


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少人数で行う高品質酒の醸造には、最新の設備を必要とされます。これは、小ロットが可能な瓶詰機。確か、去年はなかったはず。大変なことですねぇ。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_20522188.jpgこうして、丁寧に仕込まれた白瀑は、この一徹蔵にすべて瓶貯蔵。


白瀑・・・あるがままに(08-01-28 MON.)_c0084908_2053469.jpg地下には大きな冷蔵庫が二台。去年の酒はほとんどありませんでした。でも、もうひと月もすれば、この冷蔵庫も満杯。コンテナ冷蔵庫の導入を考慮中とのことで、蔵の設備ってホントに大変です。


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さて利き酒は、一週間前に搾ったばかりの「6号酵母」と「7号酵母」の特別純米原酒。それに、本醸造原酒の3点。出荷は、もう少し先ですが。
「ど」以外では、杜氏なしで仕込んだ初めての白瀑の利き酒です。ん〜〜む、フレッシュで爽やかだけど、若すぎないかな? もう少し、香味を開かせてから飲んでみたい。でも、山本さんの性格そのままに、素直で嫌味が全くない。出荷される頃にはきっと花開いてくるはず・・特に、6号がいいなぁ。待ってますよ。


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仕込蔵の二階にあった、レット・イット・ビー。杜氏がいないことをことさら強調することも、特別気にすることもありません。蔵人さんたちを信頼して、最後の40本目まで「あるがままに」酒造りに邁進してください。LET IT BE の心です。みんな、それを願っています。
ところで・・・2月2日頃、今度は「暴発しない」益々美味しくなった『ど』が入荷する予定です。また、お知らせ致します。
by nbhkkry20 | 2008-01-28 21:39 | 白瀑
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