昨日の日曜日、仙北郡美郷町(旧六郷町)にある「春霞」栗林酒造店さんを訪ねました。
気温は-2℃でしたが、お天道様が輝けば、な〜んも寒く感じません。雪原の向こうの白く輝く奥羽山系も、何とはなしに、“山笑う”という風に見えません? 天気予報では、一年で最も寒い時期を脱しつつある、と言っていました。 蔵の表玄関。雪は昨晩も降ったらしく、杉玉の上にかなり積もっていました。 夏には、蔵の前を通る人たちの喉を潤す“栗林(りつりん)清水”も止まっています。管の破裂なんていうことではなく、仕込の期間中ですから、仕込水が足りなくなるのを恐れてのことですね、きっと。 専務の直章さんとお話をした応接用の座敷からは、大きな硝子戸を通して釜場が見えます。米研ぎ、蒸し、放冷・・・働く様子がひと目で分かるのです。 今季は四日に一本の仕込みということで、今日の蒸しはなく、明日の朝に蒸す予定の洗米をしている蔵人さんの姿がありました。 釜場からみる座敷は非常に明るく見えます。昔、あの座敷には囲炉裏や火鉢を前にして蔵元がでんと座り、こちらに睨みをきかせていたんでしょうかね。 ひときわ立派な室麹、いや麹室。室の外側の空間が広く、掃除や修理がしやすそうです。 布を被せている床麹、奥に立てかけてある大箱を使う箱麹、もちろん大吟醸などは蓋麹の三通りです。 年期が入っているようですが、どこも清潔で、中の空気はカラリ。きっと、掃除や修理がキチンとゆき届いているからですね。 年季の入った麹室でも、少しづつ現代機器が入っています。この温度計は、計測値をワイヤレスで杜氏の部屋にとばしています。 ここ数年で、サーマルタンクも増やしました。左の仕込17号は今年で二造り目の「特別純米・栗林」。 小売価格が2,730円の特別純米の仕込みがサーマルタンクですから、やはり「栗林(くりばやし)酒造店」、「栗林(りつりん)」には殊の外リキが入ってます。仕込経過表をみたら上槽も間近のようで、生酒の出荷が本当に楽しみです。 他の仕込みタンクもほとんどが水冷ジャケット巻きで、品温調整もバッチリ。 さて、↑のサーマルとジャケット巻きのタンクのある蔵は、釜場に最も近い場所にありますが、実は、春霞の蔵はそこから延々と奥へ伸びているのです。板戸を開けて、また開けて、またまた開けて、また開けて・・・進むこと板戸8枚、その距離、およそ100メートル。 映画の忠臣蔵で、討ち入った赤穂浪士が吉良上野介を探す場面、浪士が次々と唐紙を左右に開けてゆくあの映像を思い出してもらえば、この雰囲気が分かります・・・って、知らない? そして、安くて旨い! と大好評の「秋の精純米・一本蔵」の由来となった長い長〜〜い「春霞の一本蔵」なのです。 板戸8枚、100メートルの先にあったのは、一昨年に設備した15坪の大型冷蔵庫。優に8,000本(80石)を越える本数が入ります。一本蔵での土蔵熟成も楽しみですが、これだけの冷蔵設備があれば、熟成方法の巾はグンと広がります。 熟生、一回火入れ瓶熟成、長期低温熟成・・・イヤハヤ、何とも頼もしい100メートル先のゴールでした。 大型冷蔵庫から今度は100メートルバック、座敷に戻って利き酒です。 左から「純米吟醸・深山春霞・無濾過生原酒」、「純米吟醸・うすにごり 霞」、「特別純米・生一本・無濾過生原酒」です。 では早速・・とはいかず、運転手はボクだ。利き酒キミだ。今回は、一緒に行った連れ合いにお任せです。 中で最も評価が良かったのが、「うすにごり・霞」。生特有のジュワッとした酸味が美味しく、フレッシュ感抜群。 次に「生一本・生原酒」。山田錦の、生硬だけど厚みのある旨味、生熟成や火入れ後瓶熟成で益々その旨味が深まるでしょう。 「深山春霞・生原酒」。秋田美山錦と9号酵母という、春霞の伝統的な仕込み配合。生より火入れ後の熟成で花開くのでは。冷やでも燗でも旨い、オールマイティな純米吟醸になるはず。 帰りの車で、利き酒が過ぎた連れ合いが撮った写真。 来る時はあんなに晴れていたのに、帰りは、前の車が見えなくなるほどの猛吹雪。霞たなびく春はまだですが、「春霞」は、大いに待ち甲斐のあるお酒になることは、絶対に間違いなさそうですよ。 ということで、春霞の新酒生酒が入荷しております。 ・「純米吟醸・うすにごり 霞」1.8入 2,980円 720入 1,490円 ・「特別純米・生一本・無濾過生原酒」1.8入のみ 3,150円
by nbhkkry20
| 2008-02-18 19:17
| 春霞
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