天の戸・純米吟醸 黒(08-05-27 TUE.)

天の戸・純米吟醸 黒(08-05-27 TUE.)_c0084908_19574880.jpg日照時間280分) お昼頃から厚い雲がとれ始め、午後には、所々に黒雲を残しながらもお日様が顔を出しました。気温は15度ほどと上がらず、少しの風でゾクッとするような冷たさもありましたが、大気のスッキリとした感じは写真でも分かりますねぇ。


 さて、今まで、こんな特徴的なお酒をアップしていなかったなんて怠慢でした、ご免なさい。初めてのご紹介、『天の戸・18BY 純米吟醸 黒』です。
天の戸・純米吟醸 黒(08-05-27 TUE.)_c0084908_19581649.jpg
 お酒の香味を決める最も重要な要素は麹だといわれています。その麹には黒、白、黄の三種類があり、一般的に日本酒は黄麹を使って醸造されます。天の戸は、このお酒は黄麹という常識を覆す、焼酎用の「黒麹」で仕込んだ(だから「純米吟醸 黒」)を三年前から醸造出荷しています。
 
 昔は焼酎も黄麹でした。でも、南国の気候では腐敗してしまう難点があり、代わって、腐敗防止に役立つクエン酸を大量に作る黒麹が使われるようになりました。しかし黒麹にも、その黒さから周囲を汚すという欠点があり、その後、突然変異で生まれた白麹が円やかな味わいとして長い間使われてきました。それが最近になって、キレよく香り高い味わいの黒麹に再び注目が集まり、黒麹に取組む焼酎蔵が増えているのです。
 
 この天の戸の「黒」は、森谷杜氏と、鹿児島の焼酎蔵・大海酒造の大牟禮杜氏との4年にわたる真剣な交流の中から発想され、麹造りなのに通常の麹室を使えず、仕上がったゴマ塩状の麹に驚き、口に含むとレモン味! 醪の泡は黒い縞々、分析すれば異常な数値、そして上槽の時期に迷い、やっと搾って利き酒すればどの顔もしかめっ面・・・こんな苦労の末、誕生した新感覚の日本酒なのです。

  柑橘系の爽やかな酸味とドライな後味、無濾過なのにサッパリとキレ、一口飲んで美味しいとは言えないけれど、もう一杯、もう一杯と繰り返し飲みたくなる不思議〜な味わい。南国の少し脂っぽい料理にも、北国の塩分濃いめの料理にも、どちらにも合いそうな味わいです。
 それに、黒麹のお酒に含まれるクエン酸は、疲労回復などに効果があるというのも、日頃お疲れぎみのお父さん達には朗報ですネ。

 晩酌用にお勧めするお酒ではありませんが、夏の暑い日にロックで飲ったり、グラスを砕いた氷でいっぱいにして「黒」を垂らして・・・これからの季節、暑気払いにでもいかがでしょう。
 毎年人気が高く、18BY「黒」も既に蔵在庫は払底しているようです。当店在庫も数少なくなりました。どうぞ、お早めにお試し下さるようお願い申しあげます。
・1.8入のみ 2,800円
by nbhkkry20 | 2008-05-27 20:07 | 天の戸
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