雪の茅舍・秘伝山廃(08-05-29 THU.)

雪の茅舍・秘伝山廃(08-05-29 THU.)_c0084908_23365332.jpg日照時間202分) 晴れの予報は出てはいますが、なかなかスカッと晴れてくれません。それよりも、気温が低いんです。19度くらいまでは上がりますが、風はブルッとするような冷たい風。農家の友人が、田んぼの水温が暖かくならなくて苗が心配だぁ、と言っていました。
 ←そんな冷たい風に吹かれても、元気に咲いている金魚草。バラが咲いて華やかになったベランダを、いっそう賑やかにしてくれています。

 
 新商品ではありませんが、久〜〜しぶりに扱うことにしました。『雪の茅舍・山廃純米吟醸 19BY秘伝山廃 火入れ瓶囲い』です。
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 雪の茅舍・由利正宗の杜氏、高橋藤一さんの酒造りは「三ナイ仕込み」がモットー・・・杜氏さんの出身地の「山内」仕込みではありません。
・酵母の力でじっくりと発酵をさせるために、あえて醪には「櫂をいれナイ」
・酒のもつ風味を少しでも無くさないように、搾ったお酒の「濾過をしナイ」
・搾った酒に、なして水足す? という杜氏の信条、「加水をしナイ」・・・
 そのためには、醪タンクにへばりつく泡落としの水まで、仕込水量の計算に
 入れているほどです。

 由利正宗の全ての酒は、この「三ナイ」主義にもとづいて仕込まれていますが、それに加えて、余分なものを使わずに、自然の営みのままに造られる山廃酒毋で醸した、この『山廃純米吟醸 秘伝山廃 19BY 火入れ瓶囲い』。蔵特有の「三ナイ仕込み」の精神が、最も投影されたお酒と言えるかもしれません。
 
 由利正宗の山廃酒毋造りの特徴はと言えば・・・酒田の上喜元を訪ねた時に、社長で杜氏の佐藤正一さんが「高橋さんから教えてもらったんです」と言って、自らの蔵でも行っている山廃酒毋造りを説明して下さったことがありました。ところが、え〜〜と、どんなことだったか、すっかり忘れてしまいました。確か、モト掛けをする方法に関することだった気がしますが、次に行きましたらしっかりと覚えてきますので、今回はご勘弁をm(_)m・・・いずれにしても、高橋さん独特の方法で造った山廃酒毋から醸す山廃酒は、これまた独特です。

 先ず、さっぱり山廃臭くないのです。山廃というと、何か懐かしいおっぱいの匂いのようなミルクっぽい、それこそ少し酸敗したような乳酸の匂いが特徴ですが、由利正宗の山廃には微かにしかそれは感じられないのです。高橋さんは言います、「その匂いで、飲みにくくして何が山廃?」と。

 由利正宗の山廃酒のジューシーな酸味は爽やかで快く、それが口の中で転がり、喉を通り過ぎる頃にはしっかりとした旨味になり、深い味わいとなって、もう一杯! これが、由利正宗の山廃酒です。

 ただ残念なのは、以前は、火入れをしてから二〜三年は寝かせて出荷していました。この熟成こそが、単なる新感覚の山廃酒ではなく、本物の「飲み易く、味わい深い山廃酒」、これこそ「真のニッポンの酒」と言われるお酒に変身するのではないかと思うのです。しかし、ここ数年は人気がありすぎて、醸造年度が変わる前に品切れになってしまい、仕方なく、ある程度の熟成で出荷せざるをえなくなっているのです・・・ん〜〜、残念。

 とはいえ、この『山廃純米吟醸 秘伝山廃 19BY 火入れ瓶囲い』、この浅い熟成でさえ、今までの山廃酒とはひと味違う旨さと美味しいなのですから、それで良いと言えば良い、困ったお酒です・・・イヤ、何も困るこたぁないんですけどネ。
 
 ということで、皆様もこの嬉しく困った美味しさをお楽しみ下さるよう、宜しくお願い申しあげます。今年も、人気が高くで品切れ必定だと思いますので、是非、お早めに!
・1.8入 3,400円 720入 1,750円
by nbhkkry20 | 2008-05-29 23:48 | 雪の茅舍
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