まんさくの花・雪室貯蔵 純米吟醸(08-06-27 FRI.)

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日照時間480分) 中休みどころか、梅雨入りしてからほとんど雨が降ってないんで、川も流れているようにみえません。どうなるんでしょう? 今年の梅雨は。
 明日と明後日は、秋田で年に一度のプロ野球公式戦(阪神vsヤクルト)です。ここまで晴れたのですから、もう少し晴れてほしいものです。私も、デーゲームの券を持っているし・・・ね。

 さて、ご紹介は『まんさくの花・雪室貯蔵 純米吟醸』です。

 今年で6回目となった雪室貯蔵。今年の雪室への搬入は、3月19日に行われました。その様子は、まんさくの花のホームページ「蔵日記」の「バックナンバー★2008年3月」をたずねてみてください。

 そして、雪室を開きお酒を搬出したのが6月11日。今年こそは搬出の様子をみせてもらおうと思っていたのに、6月11日といえば、新酒鑑評会の東京での一般公開が行われた日。そう、夜の池袋をウロウロしたあの日です。

まんさくの花・雪室貯蔵 純米吟醸(08-06-27 FRI.)_c0084908_21522371.jpg あの日は、まんさくの花の雪室の「雪」ではなく、空の上から鳥海山の「残雪」を見ながら東京へ向かいました。


 仕方なく、雪室からの搬出の様子は、後で蔵から送ってもらいました。

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 雪があまりにもガッチリと固まり、最初はスコップでは崩すこともならず、お酒が見えるまでかなり時間がかかったようです。
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 ようやく周りの雪もグズグズとなって、お酒を出し始めました。酒の周りは雪なのに、何といっても季節は6月、半袖姿というのが面白いですね。
 逆に、ネクタイを締めて、青いジャンパーの彼は暑そう。顔が紅くなっていません?
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 搬出も進み、酒もあと僅か・・でも、なんだか雪がまだたくさん残ってますね。このまま溶かしてしまうのは勿体ない気がします。融けきるまで、もっと長くお酒を貯蔵するのも面白いんじゃないかなぁ。来年、提案してみよう。
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 ということで、1.8リットル換算で600本。全て出し終わり、お酒はトラックに乗せられ、十文字町にある「まんさくの花・十文字工場」の大型冷蔵庫へと運ばれたのですが・・・実はこの後、このお酒たちには大変なことが待ち受けていたのです。

 雪室から搬出して三日後の6月14日の朝、あの「岩手・宮城内陸地震」が発生。雪室から誕生したばかりのお酒を襲ったのです。

 まんさくの花では、増田町の仕込蔵は建物に少し被害があった程度で、お酒はなんともなかったのですが、冷蔵貯蔵酒の多い十文字工場では、「ん〜〜〜ん」と唸りたくなるくらいの損傷があったようです。その辺りの事情は、再度、蔵のホームページ・蔵日記の6月14日をご覧ください。
 
 土曜日の休みで急遽出社した社員の方たちが、十文字工場の大型冷蔵庫を恐る恐る開けてみたら、瓶貯蔵をしている8本P箱が大きく崩れて、山のようになって行く手を塞いでいます。
 冷蔵庫の床は、割れた瓶や流れ出たお酒でグチャグチャ。そして、先日搬入したばかりの「雪室貯蔵酒」はその山の向こう・・・それを見た社員たちは、「あ〜〜っ、駄目か〜」と思ったそうです。
 しかし、キケンなP箱と割れたガラスの山を越えて行ってみると、何と、「雪室貯蔵酒」は全く無傷。一本も割れていなかった。「ん〜〜〜」、何とも幸運なお酒たちですねぇ。

 そしてお酒は、冷蔵庫の中の掃除や整理整頓を待って、ラベルを整えられ、遮光フィルムの袋に入れられ、昨日、お店に到着したというわけです。
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 50%精米された美山錦を使い、9号系の酵母で醸し、アルコール度が17〜18度、日本酒度+4.0、酸度1.6というお酒に仕上げられ、一回火入れで、84日間の雪室熟成された純米吟醸。

 で、その味は? えっ? あんな大災難を乗り越えてきたお酒です。美味しいに決まってます!・・・旨いことは旨いんですが、ちょっと暑いこの季節には少し濃い目かもしれません。
 でも、そんな時はロックにしたり、少〜〜しのソーダで割ってみてください。まんさくの花独特の、米が醸し出す充分な旨味、一回火入の新鮮さと清涼感があいまって、ホントに気持よくお飲み戴けると思います。
 
 小さな雪室での貯蔵ですから、もちろん極々限定品です。マグニチュード7にも負けなかった“サバイバル”「まんさくの花・雪室貯蔵 純米吟醸」、梅雨の蒸暑さを吹飛ばすような美味しさをお楽しみ戴けますよ。
by nbhkkry20 | 2008-06-27 22:03 | まんさくの花
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