天の戸・純米吟醸ひやおろし(08-09-02 TUE.)

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日照時間644分) 晴天が続き気温も上がり、最高気温が32度。先週の大雨で一気に秋になったら淋しいなぁと思っていましたが、この残暑。夏の終わりらしくていいんですけど、ちょっと身体に応えます。
 夕方、少し涼しくなったとはいえ、まだ29度ありました。写真では、明日も晴れの夕焼けのようですが、明日の天気予報は曇りのち雨、所によって雷雨。少しは気温が下がりそうですからホッとしますね。

 そして、こんな厳しい残暑では、「いよいよお酒が美味しくなる季節」なんていう台詞はちょっと早いかなぁ・・・とはいえ、「ひやおろし」の季節は始まりました。
 「天の戸・19醸造年純米吟醸ひやおろし」を利き酒してみました。
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『ひやおろし』とは? 『厳寒期に醸造した清酒を一夏熟成させ、秋口に入ってほどよい熟成状態で出荷するもの(日本清酒青年協議会で決議された定義)』をいうのですが、かなり大雑把ですね。何故なら、古酒にさせずに秋口に出荷されるお酒は、すべてこの定義にあてはまってしまうのです。

 まぁそれでもいいのですが、もう少し厳密に定義をし、「ひやおろし」としての特性を楽しんでもらおうという動きもあります。一度火入れ瓶囲い、瓶燗火入れ瓶囲いなどという方法ですね。

 それらの方法は手間と暇がかかり、そうしたからといってより美味しくなるという保証はありません。しかし、これまでの私の乏しい体験からいっても、やはり手間暇を惜しまない「ひやおろし」は何かが違う・・・香味の調和が進み、ますます落着きを増し、味わい深くなりながらも、新酒時の新鮮さと瑞々しさを保ち続けている。これが、手間暇を惜しまない「ひやおろし」の美味しさの理想型だと思うのですが・・・。

 今年の「天の戸・純米吟醸ひやおろし」は、春先に上槽された生酒に一度だけ火入れをし瓶詰め、そのまま冷蔵貯蔵、夏を越して「ほどよい熟成状態で出荷」されたもの。まさに、手間暇を惜しまずに造られた「ひやおろし」です。

 そして、その味わいは・・・旨い! 去年より少し辛口になって、キレも上がった感じでいい。私には、もうちょっとフレッシュさを残して瑞々しさが欲しかったんですけどもね。そうすれば、理想型にググッと近づくのですが、美山錦とAK-1酵母の組合わせでは、なかなか瑞々しさの方に振れないのかもしれません。それでもこんな美味しいのですから、これ以上望むのは贅沢というものです。
 それに、価格は一昨年から値下げを断行していて、1.8入りで3,000円(税込)、720入りで1,500円(税込)。これ以上望むのは、やはり贅沢ですね。
# by nbhkkry20 | 2008-09-02 22:40 | 天の戸

ホームページとブログ(08-09-01 MON.)

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後ず〜っと日照時間706分) 久しぶりに、秋田は朝から青空が大きく広がりました。遠くに入道雲がみえますが、少しは大気の状態も安定してきたのでしょうか、気温は高めでしたがカラリとして気持のいい9月1日でした。
 そういえば、今年の二百十日は昨日の8月31日。ゲリラ豪雨も8月と共に過ぎ去って・・・となればいいんですけどね。
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 千秋公園外堀の蓮が見事に花を咲かせていました。しばらく見ていると、何となく心が静やかになってゆくようでした。
 
 さて、当ブログも二ヶ月ぶりに更新しました。
 こんなに長く更新しなかったのはいろいろ理由もありますが、とどのつまりは、書き手の歳からくる体力不足と集中力不足によるもので、皆様にはご迷惑、ご不便をおかけしてしまい本当に申しわけありませんでした。

 夏の繁忙期(…といっても、昔から比べればだいぶ暇ですけど)になって、ちょっと日中が忙しいと夜に作業をする体力がない、もう寝るだけ。では次の日にと思っても、日中の忙しさをこなしながら書くなど、とてもとても集中力が続かない。そんなこんなで、まるまる二ヶ月でした。

 それと、7月の初めに税務署の方(ほう)からホームページと当ブログに「酒類の通信販売法違反」の疑いがあるという指摘を受けました。
 不特定多数が見るお酒のHPをウェブ上に掲載するためには、通信販売免許が必要であって、販売することを目的としたブログも同じだというのです。

 確かに、ウェブを使ってお酒の情報を流してはいるが、HPからは注文を受けることができない、このブログでは書き手が誰かは分からない、メールアドレスさえ書いてない。つまり、インタラクティブなやり取りができないようにしている。こんなHPやブログでは通信販売にはならないのでは、そう主張しても駄目でした。泣く子と△△には勝てません。
 それに、通信販売免許を取得しても、それによって課せられる義務を果たすには、これからドンドン落ちてゆく私の能力と体力ではついていけるかどうか・・・?

 ということで、先ずはHPを閉鎖(非常に更新しづらいHPだったので、閉鎖しても問題なし)し、どんなブログにしようかなぁ〜〜なんて考えているうちに二ヶ月が過ぎた、こんな状況があったということでご勘弁を願います。

 この二ヶ月の間に、季節は秋の気配が漂うようになり、それと共に、お酒は秋の「ひやおろし」が飲めるようになってまいりました。
 そこで明日からは、様々な「ひやおろし」がどんなお酒なのか? という「利き酒の結果」を、「自分の記録の為」に、真面目にこのブログに残しておこうと思います。貴方が、お飲みになる際の参考になれば幸いです。

 ところで、9月から10月にかけては、日本酒の様々なイベントがあります。そのために、臨時休業しなければならない時もありますので、今分かる限りの予定を下記しておきます。ご参考までに。

・ 9月05日(金) まんさくの花 公開利き酒会
・ 9月07日(日) 秋田県酒造組合主催の「秋田の酒で乾杯する夕べ」
・ 9月14日(日)〜15日(月・敬老の日)
          遅い夏休みのため、連休させて戴きます
・ 9月21日(日) やまとしずく販売会の総会
・10月18日(土)〜19日(日)
          京都の秋田のお酒のファン主催「天の戸を飲み尽くす会」
          に参加のため、連休させて戴きます
# by nbhkkry20 | 2008-09-01 20:03 | 秋田のいろいろ

春霞・深山春霞 一度火入れ原酒(08-07-02 WED.)

春霞・深山春霞 一度火入れ原酒(08-07-02 WED.)_c0084908_21131483.jpg日照時間792分) 午前6時からず〜〜っと晴れっぱなしで、最高気温が26.2度。
 こんなに雨が降らないんじゃ、紫陽花もイロを失って・・・なんていうことではなく、千秋公園の穴門周辺の土壌のphが白い紫陽花を咲かせているとのこと。ネットで調べて分かりました。
 明日の夜からは雨となりそうなので、この紫陽花もほっと一息つけるでしょうね。


 さて、今日も新入荷のお酒がありました。『春霞・深山春霞 一度火入れ原酒』です。
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 今年の3月に春霞の新入荷4点を一挙にご紹介した中で、最も人気があって早く売切れたのは「栗林・生酒」でした。しかし、日が経つにつれ「いや〜旨かった〜。まだ在庫ある?」と、問い合わせが尻上がりに増えていったのが、この「深山春霞・無濾過生酒」です。
 爽快な酸味は時間が経ってもダレることもなく、美山錦の腰の強さが味の巾を生み、結局、飲み頃が長〜〜く続いたんだと思います。
 
春霞・深山春霞 一度火入れ原酒(08-07-02 WED.)_c0084908_21141478.jpg 3月のブログには、「生酒のままの熟成(も)、火入れしての熟成(も)、これならどちらも大丈夫」と書きましたが、生では美味しかったけど、さて、新入荷の「深山春霞 一度火入れ原酒」は予想通りに美味しく熟成されているでしょうか? 利き酒、利き酒です。


 今年の深山春霞はその名の通り、醪を上槽した後に「一回だけ火入れ」をし、全く加水をしない「原酒」のままで瓶詰めして、以前にご紹介した15坪の大きな冷蔵庫で静かに寝かせ、飲み頃を待って発売されたのです。ラベルも一新、「深山」が小さくなって「春霞」が大きくなりました。
 因みに、「春霞」は、蔵ではハルカスミと読ませています。ハルガスミではありません。ですから、「ミヤマ ハルカスミ」ですが、発音しにくくないですか、ハルカスミ・・・なんて。

 昨年は、一度火入れで冷蔵瓶貯蔵した点は同じですが、原酒ではなくもう少しアルコール度数が低い加水したお酒で発売されました。
 確かに、今年の原酒タイプは濃い〜。口に入れ、舌の上で転がしている間にも酒精感をピリピリと感じさせます。では、そんなに強くて喉を通すのも難儀かというと、まったくそんなことはない。転がしている間に、ピリピリがコクコクと円やかになり、きれいでジューシーな酸味が現れ、喉を通す時には優しい旨味となって、スーッとキレてゆく・・・不思議〜?
 
 そして、このくらい濃〜いお酒だと少しくらい品温が上がっても、キリキリに冷やしても崩れる心配はまったくないでしょうねぇ。ですから、ぬるめのお燗をしたり、ロックにしたり、貴方の飲み易〜い方法を選んで、食中のお酒として充分にお楽しみ戴けます。
 それに、火入れをしてますから甘ダレすることなく、日に日にキリッと締まってゆくはずですから、ご家庭の冷蔵庫熟成も楽しめる・・・つまり、この「深山春霞 一度火入れ原酒」は春の生酒と同じように、「まだ在庫ある?」という問い合わせが尻上がりに増えてゆく、ということになりそうです。

 秋田美山錦を55%精米、9号系の酵母で醸し、アルコール度が18度、日本酒度+0.5、酸度1.6、アミノ酸度1.0というお酒に仕上げました。
 1.8リットル換算で1,000本のみ。どうぞ、尻上がりをお待ちにならず、お早めにお求め下さるようお願い申しあげます。
・1.8入 2,940円  720入 1,470円
# by nbhkkry20 | 2008-07-02 21:19 | 春霞

最後の? たてのい(08-07-01 TUE.)

最後の? たてのい(08-07-01 TUE.)_c0084908_237787.jpg日照時間618分) ま〜つか〜ぜ〜さぁ〜わぁ〜ぐぅ お〜かのぉ〜う〜え〜 古城よ一人何偲ぶ(古い!)・・・って、唄いたくなるような景色でしょう。
 千秋公園二の丸から本丸への階段です。風は、「騒ぐ」ほど吹きませんでしたが、日ざしの下を歩いて少し汗ばんだ身体には、この木陰の涼しさはホントにい〜い気持。今日も、爽やかな一日でした。
 それにしても、階段の手摺。身体の弱い方には必要なのですが、もう少し景色に邪魔をしない設置の方法がなかったのかなぁ。

 さて、今日は昨日のお約束通り、美味しくて惜しい(?)お酒のご紹介。『たてのい・「純米」「山廃純米」「純米吟醸」 19BY 中取り原酒 瓶囲い』です。
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 「たてのい」純米シリーズは、去年も旨かったし、今年の新酒生も美味しかった。そして、今年の火入れ酒も絶対に美味しいはずなのは充分に分かりますが、「惜しい」ってどういうこと?

 ・・・実は、「たてのい」の醸造元である横手市の沼館酒造が、突然に蔵を閉めることになったのです。
 閉めるということは5月の連休後には知りましたが、昨日、蔵からの正式な閉鎖の連絡があったので、こうして沼館酒造最後のお酒をご紹介しながら、皆様にお伝えする次第です。

 蔵からの連絡には、「・・・当社はこの度諸般の事情により、去る6月23日株主総会において、会社の解散を決定いたし・・・」という、簡単な文章の印刷物、一枚。百年近くの歴史をもち、戦後の企業整備の際も操業工場として経営を続け、いっときは7千石を超える石数を誇った蔵としてはあまりにも寂しい最後のように思えました。そんなものだよ、と云われればそれまでですが・・・残念です。

 ということで、2月、3月、4月とご紹介した新酒生酒が終わり、そろそろ火入れの酒が入荷してくる頃と心待ちにしていた矢先に、蔵からの出荷が一切ストップされてしまったのです。

 しかし、「たてのい」はここ数年の間に、当店にとっても、飲食店さんや愛飲家の方達にとっても、なくてはならないお酒に急速に成長してきました。
 来年からは「たてのい」をもう飲むことはできないけれど、今年のお酒はまだあるはず。会社が、閉鎖だ、解散だ、清算だとゴタゴタしている間に、中取りや瓶囲いといった素性のはっきりしたお酒はどうなるのだろう。少しでもいいから、素性のはっきりしたお酒を頒けてもらえないだろうか。そして、秋田の沼館に「館の井」という銘酒があったことを一人でも多くの方に記憶してもらわなくては・・・そう思い、ゴタゴタしているのを承知で蔵に問い合わせ、昨年と同じ「中取り原酒、瓶囲い」の「たてのい」純米シリーズ・火入れ酒三種を確保したのです。
 お酒は、6月初めに入荷してきました。それから今日まで、11度前後の大型冷蔵庫で静かに熟成させてきました。

 昨シーズンの火入れ酒の入荷は、純米酒が4月、純米吟醸が6月、山廃純米は10月でした。ですから、今年も純米と純米吟醸はそろそろ飲み頃になっていますが、山廃純米は確かに若いと思います。
 でも、「たてのい」は若い時期から飲み始めても美味しいし、今回の発売に際して行った利き酒でも、充分に旨味はのっていると感じました。もちろん、これから少しづつ熟成を深めて、香味共に今以上に深い味わいになることは、昨年までで実証済み。今飲むも良し、もっと熟成させても良し、です。

 そして、こんな美味しいお酒が来年から飲めなくなるなんて、本当に惜しい。こんな良い酒を造る蔵がなくなるなんて、本当にもったいない・・・残念を通り越した無念さと、日本酒業界が直面している現実の厳しさ、それに対してどうにも出来ない我々の非力さを、強く強く感じながらの利き酒でした。
  
 「たてのい」最後の純米シリーズ、宜しく、宜しくお願い申しあげます。
・19BY 純米吟醸 中取り原酒 瓶囲い 1.8入のみ 2,950円
・19BY 山廃純米 中取り原酒 瓶囲い 1.8入のみ 2,600円
・19BY 純米酒 中取り原酒 瓶囲い  1.8入のみ 2.350円
    *それぞれのお酒の詳細は、お問合せください。
# by nbhkkry20 | 2008-07-01 23:12 | たてのい

半年を締めくくり(08-06-30 MON.)

日照時間630分) 昨晩からのシトシト雨もあがり、朝から晴れて気温が25度、湿度も低く快適な一日でした。そんな気持のいい日だったのに、タイミングが悪く、一歩も外に出ず仕舞。でも、一昨日、昨日と出ずっぱりだったので、まぁ、いいか。
半年を締めくくり(08-06-30 MON.)_c0084908_20233289.jpg 一昨日は、市内A蔵さんの八代目を継ぐであろうご長男さんの結婚御披露宴・・・あのT大(男鹿半島の灯台ではなく、マジにT大)を卒業し、作家志望で様々な経験を積もうと職を転々とし、実際に潜入ルポ風の本をモノにしたこともあるユニークな新郎と、ファッションモデルの経験がある超美人で(ボケた写真ですみません。わざとです)、何とベリーダンスのインストラクターをしていたという新婦。


 いや〜、150年以上の歴史をもつ酒蔵の次期当主ご夫妻として、21世紀らしくてホントにいいカップルでした。長男とそのお嫁さんとはいえ、よくこの厳しい酒造業に飛び込んでくれました。心の中に、いつまでもそのユニークさと挑戦心を無くさなければ、どんな苦労もきっと乗り越えられます。頑張ってください。
 ということで、4時間近くにわたって繰り広げられたご披露宴のお酒は、もちろんA蔵のお酒。しかも、当主の名前を冠した大吟醸無濾過原酒だけ。さすが、美味しかったです。でも、やっぱり大吟醸無濾過原酒だけでは、ふ〜〜〜疲れました。 

半年を締めくくり(08-06-30 MON.)_c0084908_2024728.jpg で昨日は、秋田で年に一度のプロ野球公式戦、ヤクルトvs阪神の観戦・・・野球は好きですが、特別好きなチームはありません。子供の頃から、あの永遠に不滅なチームを破ってくれればどこのチームでも良しでした。ですから、今日の一番のお目当ては、やっぱり「あにき」。
 タイムリー1本は出ましたが、幾度かのチャンスでブレーキ。残念、9対4で負けちゃいました。でも、打った打球は、速え〜〜〜。


 それにしても長い試合で、3時間40分かな。いつも、秋田のプロ野球観戦を共にしているA清酒のSさんと一緒で、こちらもAさん持参の味の濃〜い原酒を飲み続けて、ふ〜〜〜疲れました。

 ということで、半年を締めくくる楽しい二日間でした。
 三日ぶりのブログなので、新入荷のお知らせといきたいところですが、明日からは月も改まります。二日連続の酔いを醒して、心機一転。明日は、美味しくて、惜しい(?)お酒をご紹介致します。
# by nbhkkry20 | 2008-06-30 20:34 | 秋田のいろいろ