刈穂・特別本醸造 六割仕込み(08-05-15 THU.)

日照時間304分) 昨日からの曇り空も午後からは晴れあがり、気温はそう高くはなかったけど、風が穏やかなだけ暖かな一日でした。
 日曜までは気温の高い晴れが続き、来週は雨模様という予報ですが、それにしても雨が少ない。田んぼの渇水対策を、もう検討し始めたというんですから驚きです。今度の雨が、田植え時期の恵みの雨になってくれればいいんですけども・・・。

 さて、今日もちょっと事情があって外に出ず仕舞で、外でのワンショットはなしで、いきなりお酒のご紹介。
 『刈穂・特別本醸造 六割仕込み 限定』です。
刈穂・特別本醸造 六割仕込み(08-05-15 THU.)_c0084908_21402240.jpg
 実は、この特別本醸造と同時に、刈穂から80%精米の純米酒が発売されています・・後日ご紹介致しますよ。
 これまで、当店から皆さんにご紹介してきたお酒で、大吟醸を別として、アルコール添加をしたお酒をご紹介をしたことはありませんでした。今回のご紹介も、純米だけにしようかと思っていたんですが、両方を利き酒をしてみたら、なんと! この本醸造が旨いんです。
 秋田の伝統的酒米の美山錦を60%精米し、自家培養酵母KSPで醸し、もちろん全量槽搾り、そして瓶詰め時だけの一回火入れ。当然ながら、すべて瓶囲いですから、まさしく、刈穂得意の吟醸造りをした特別本醸造なのです。
 吟醸香とはいかなくても爽快な香り、強くもなく弱くもないジューシーで鮮やか酸味と、一回しか火入れをしない事による醇味。そして、日本酒度+8でスーッとキレて、旨い!
 ただ、飲む温度というか、飲み頃の温度がちょいと難しい。
 本醸造というとお燗というイメージがされますが、私が飲んで最も美味しかったのは室温よりも5〜6度低い温度でした。なに、そんな難しいことではありません。冷蔵庫で保管しておいて、飲む少〜し前に片口やカラフェにでもあけて、少〜し温度をあげてやればいいのです。純米主義者(?)の方も、これが本醸造(?)って驚くかもしれません。
 それと、実はという話がもう一つ。上記の名称は、私が勝手につけた名称なのです。
 蔵の公式アナウンスでは、『刈穂・特別本醸造「美山錦60%Limited」』となっていたのですが、ここのところ、ランドオブウオーターとか、MK−Xとか横文字がこんなに流行りで良いのかなぁ? と思っていた矢先にLimtedじゃあんまりだと思い「限定」として、ついでに60%も「六割仕込み」、と勝手に日本酒らしく和風にしちゃったということです。
 いずれにしても、本醸造の香味の範疇を超えた本醸造、もうちょっとで吟醸か、と思わせるようなこのお酒、「刈穂の特別本醸造」=「刈穂の特本」(トクホンは貼り薬)をお試し下さるようお願い申し上げます。
 これで、もう少し価格を頑張ってくれれば、「ヨッ、日本一!」と言えたのになぁ、残念。
・1.8入 2,100円 720入 1,155円
# by nbhkkry20 | 2008-05-15 21:47 | 刈穂

まんさくの花・MK-X2008(08-05-14 WED.)

時々日照時間0分) 昨日の、約13時間というたぶん今年最長の日照時間から一転、今日はゼロ。気温も昨日より6度以上低い13度、時々小雨の肌寒い一日でした。あまりの涼しさに、せっかくクリーニングして倉庫にしまった石油ストーブをひっぱり出す始末。いはやは何とも、やっぱり異常気象なんですかね。
 まぁ、そんな寒さですからポタリングも散歩もなしで、今日も外でのワンショットはなし。先週、ポタリングの途中に撮ったカラフルなツーショットをアップしておきましょう。
まんさくの花・MK-X2008(08-05-14 WED.)_c0084908_2121969.jpg 粋な黒塀ではなく、ブロック塀越しの石楠花。
 ブロック塀では無粋かもしんないけれど、街中でこれだけ見事に咲かせるなんて、何とも粋な花主さんです。


まんさくの花・MK-X2008(08-05-14 WED.)_c0084908_2121445.jpg この花は何色って聞かれて、ただの紫でもなし、薄紫といってもその濃淡は様々だし。結局、藤色って答えれば、日本人なら誰もが納得するんですよね・・・何か、不思議だ?


 ということで、今日のご紹介はラベルも不思議な『まんさくの花・MK-X2008』です。
まんさくの花・MK-X2008(08-05-14 WED.)_c0084908_21222259.jpg
 毎年ご好評のMK-Xですが、昨年のMK-X2007と違うのは酒米です。 
 去年は、「山田錦×美山錦=美郷錦」という三種を使い、しかもその仕込み配合を明かしませんでした。しかし今年は、「麹米に山田錦、掛米に吟の精」と明確に米の配合を明かしています。山田錦でしっかりと麹(酒の土台)を造り、吟の精で秋田らしさを醸し出そうという意図がはっきりしているのです。
 そういう姿勢が酒に表れたのでしょうか、今年のMK-Xは香味がクキッとして分かりやすい味わいです。いかにも純吟の香り、いかにも純吟の醇味・・・では、単純な香味かというとそうではありません。香味の奥には微かに苦味やエグミがあり、それが秋田らしい味わいになり、全体として香味に奥行きをも感じさせるのです。
 今年も蔵元と杜氏がチャレンジした「新・まんさく酵母」を使い、総米900キロの小仕込。日本酒度:+1.0、酸度:1.3、アルコール度:16〜17度の原酒を生詰めして一回火入れ。蔵出し240本の限定出荷です。
 お早めにお試し下さるようお願い申し上げます。
・1.8入 3,150円 720入 1,500円
終売致しました
# by nbhkkry20 | 2008-05-14 21:29 | まんさくの花

白瀑・純米吟醸 山本(08-05-13 TUE.)

日照時間775分) GW明けから続いた低温もようやく終わり、今日の気温は平年並み。風は強かったのですが、一日中晴天で気持ちのいい日でした。それなのになかなか外出できず、結局写真一枚撮れずじまい。
 おとといの日曜日に出かけた田沢湖高原の写真でもアップしましょう。
白瀑・純米吟醸 山本(08-05-13 TUE.)_c0084908_1957383.jpg
 潟前公園展望台から見た駒ヶ岳。確か、以前ならGW前後も山の頂上付近には雪がいっぱい残っていたような気がするけどなぁ。

白瀑・純米吟醸 山本(08-05-13 TUE.)_c0084908_19581915.jpg 鏡の上を滑るように走る遊覧船。絵ハガキみたく撮れてしまって・・・なんて、ちょっと自慢。



白瀑・純米吟醸 山本(08-05-13 TUE.)_c0084908_19585414.jpg 電線が邪魔だけど、駒ヶ岳と名残りの山桜を撮るにはこのアングルしかなくて・・・今年の桜の見納めでした。


 お久しぶりのブログですが、世間のGWも終わったところで、私のブログのGWも終わり。早速、新入荷のお酒のご紹介と致しましょう。
 『白瀑・純米吟醸 山本』です。
白瀑・純米吟醸 山本(08-05-13 TUE.)_c0084908_19592954.jpg
 白瀑は、今年からいわゆる杜氏試験で認定された杜氏なしで酒造りを始めました。しかし、製造責任者を杜氏と呼ぶなら、常務の山本友文さんが白瀑の杜氏です。詳しくは、1月28日のブログをご参照下さい。
 その山本(一年生)杜氏が、精米から搾りまで一貫して作業をしたのが、この「純米吟醸・山本」です。このお酒を語るには、何といっても彼の言葉に勝るものはありません。

 白瀑の山本です。何かと苦労の多かった一年目の杜氏業もようやく終わり、ホット一息ついたと思ったら、某行政機関の調査が入り、記帳漏れやラベルの表記ミスなどが発覚、冗談も通じない相手に容赦なくタップリと搾られました(涙)。しばらくは就寝中もうなされそうです。
 そんな可哀そうな私がなけなしの知識と技術を総動員し、精米作業から搾りまで一貫して作業した入魂の酒をご案内いたします。通常の作業では麹造りがメインですが、「一貫して作業をしなければ酒造りは解らない!」と主力の純米吟醸だけは全ての工程に直接携わりました。
 そんな私の暑苦しい想いが詰まった純米吟醸「山本」ですが、出来上がった酒は意外にも軽快でキレ味もいい感じです。私が理想とする酒にはまだまだ程遠く、酒造りの難しさを痛感させられましたが、これを飲めば、今の私の実力が一飲瞭然です。来年、再来年とドンドン酒質を上げていきたいと思います。
 ラベルも気合入っています。
 よろしくお願いします!


 短いけれど、何ともいい案内文です。特に「来年、再来年とドンドン酒質を上げていきたい」というところが、奥ゆかしくて(?)いいですねぇ。じゃ、先ず飲んでみるかという気にさせますねぇ。
 秋田の醸造試験場で開発された新酵母を試験的に使い、「軽快でキレがいい」だけではなく、香味に力強さもあり本当に飲み飽きしません。一年目でこれだけなら、来年、再来年は一体どこまで美味しくなるのか・・・といったら誉めすぎでしょうか?
 ともあれ、今年から旨い! 「純米吟醸・山本」。最も旬なお酒です。
・1.8入 2,980円 720入 1,550円
# by nbhkkry20 | 2008-05-13 20:04 | 白瀑

うまからまんさく・無濾過生(08-04-25 FRI.)

日照時間342分) 桜(ソメイヨシノ)があらかた散ってしまい、花がないけど観桜会開催中! の千秋公園本丸ではなく、入口にある図書館まで、ウインドブレーカーなしで自転車を飛ばしたら寒いっ!
 晴れていましたが、北よりの風で気温は12℃止まり、身体はコチコチ。帰ってきて思わず石油ストーブを点けちゃった、というような一日でした。

 図書館の前の八重桜、今が満開。
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 日に日に濃さを増している新緑と、まるで絵に描いたようなマッチング〜
うまからまんさく・無濾過生(08-04-25 FRI.)_c0084908_22203232.jpg


 さて、しばらく前に入荷していましたが、“予想以上に美味しい”お酒のご紹介。『まんさくの花・うまからまんさく無濾過生酒』です。
うまからまんさく・無濾過生(08-04-25 FRI.)_c0084908_2221157.jpg
 このお酒の米「秋の精」は、秋田の農業試験場でトヨニシキと美山錦を交配育成し、2000年に品種登録された酒米です。

 「秋の精」は、“美山錦”に比べれば耐冷性が強く、稈長が短く倒れ難く、心白が少なくて小さいが、“吟の精”よりは穂数が多く、心白が大きい。つまり、丈夫でたくさん収穫できるけど、高級酒用ではなく中クラスのお酒の掛米にはピッタシ、という酒米です。

 しかし、収量が安定していて価格もある程度低いことから、ここ数年は掛米に使われるだけでなく、オール秋の精での酒造りが増えてきています。そして、醸されるお酒は押し並べて「サッパリ辛口」系。これまでの秋田の酒米ではあまりなかった酒質を得られています。もしかしたら、北陸の五百万石のお酒に近いのかな?

 この『うまからまんさく無濾過生』もオール秋の精仕込みの、まさにサッパリ辛口系です・・・が、ヤッパリ無濾過生、タダの淡麗辛口ではありません。
 濃醇でコクッとした凝縮感、酒本来の甘味(旨味)を無くさず、瑞々しく美味しい酸味と高い日本酒度でサラッとキレる。濃醇だけどサッパリ、甘味もあるけど辛口という矛盾がいっぱいの味わい。だから、ウマ・カラまんさくなんですね。

 しかも今年は、精米率は麹も掛も55%で昨年より5%アップ。タダの純米ではなく、もはや特純か純吟。協会9号酵母を使い、日本酒度+10、酸度1.7のお酒に醸し上げています。

 何より嬉しいのは、この「秋の精」。実は蔵の杜氏・高橋良治さんが山内村で自ら丹誠を込めて栽培した「秋の精」なのです。自分で育てた米での酒造り、力が入らないわけはありません。もしかしたら、大吟醸の鑑評会出品酒よりもリキが入った、なんてことは・・・あるかもしれませんよ〜。ことほどさように、今年の『うまからまんさく無濾過生』は旨いんです。

 但し、残り数が僅か。生が終われば火入れになり、火入れは火入れで美味しいんですが、私とすればず〜〜〜っとこんな生酒を飲みたいなぁ、と思っています。皆さんも、お早めに先ず一本! いかがでしょうか?
・1.8入 2,625円  ・720入 1,320円
終売致しました
# by nbhkkry20 | 2008-04-25 22:28 | まんさくの花

語る、語る(08-04-21 TUE.)

日照時間662分) 最高気温が16度ほどで湿気もなく、日の出から日が落ちる瞬間まで快晴で、本当に快適な一日でした。
 外出する時間はなかったのですが(写真を撮る暇もなし)、お店にお客様は来て下さるし、発送の電話は戴くしで忙しく・・・これは、これで「快適」な気分になるのですから、商売人とは現金なものです。皆々様、誠にありがとうございます。
 
 さて、昨日の続き・・・20日の日曜日の話です。
 大仙市の南外ふるさと館で行った「酒の会」とは、飲む会ではなく(いや、飲むには飲みましたが)、「秋田の酒を語ろう会」という今回初めての「酒の会」を行ったのです。
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 秋田市のE酒店と大仙市のA酒店、そして私の三人が「蔵元の方達と酒販店がざっくばらんに膝を付合わせ、泊まりがけで、ゆっくりと秋田の酒の現状とこれからについて語り合おう」という主旨で呼びかけ、開催したのです。
 集まって下さったのは、15の酒蔵と14の小売店、しかも若手ばかり。結局、私が最も年寄りで、なんとか若い人の足を引っ張らないようにしなきゃ・・・。
 先ずは、皆さんが持ち寄ったお酒の利き酒から始まりです。

語る、語る(08-04-21 TUE.)_c0084908_23425885.jpg 参加者が到着するにしたがって利き酒する酒が増えてゆき、最後は33種類のお酒が勢揃い。大吟から普通純米酒まで、全てが市販酒。こういう利き酒は、普通酒に負けてる大吟があったり、面白いんですよ。それに泊まるとなれば、飲んだ酒を吐き出さなくてもいいんですからねぇ。


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 さて、ミーティング。膝付合わせるにはちょっとテーブルの間隔が開き過ぎかな? でも、徐々に雰囲気もほぐれて・・・
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 大いなる雑談会でもいいと思っていたんですが、熱心に記録をとる方も。しかも、自分の蔵やお店の現状や悩みを、積極的に真摯に話して下さって、呼びかけ人もちょっと驚き・・・
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 余りにも任意の会なので、後で何か云われることがあっては困ると思い、写真のピンを甘くしたのですが・・・ でも、そんな小ちゃなことで心配する方達ではありません。というより、こんな程度の甘ピンじゃ、一目瞭然ですねぇ。
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 膝付合う話になったのは、もちろんお酒が入ってから・・・

語る、語る(08-04-21 TUE.)_c0084908_23513053.jpg そして、部屋に移ってからが、ホントに膝突き合わせて、秋田の酒を語る、語る、語る・・・深夜遅くまで。


 ところで、何か結論でも? 一大決起して、何か事を起こそうとか? 何もありません・・・但し、決して不毛ではありませんでした。
 ピントの甘い写真でも、皆さん笑顔って分かるでしょう。そう、皆さんには、まだまだ語るべき「秋田の酒の未来」があるのです。それが確認できたことは開催した甲斐があったというものだし、最年長もまだまだ頑張らなきゃ、と励まされた次第なのです。
# by nbhkkry20 | 2008-04-23 00:02 | 秋田のいろいろ